それはまるで魔法のように【２】 (ページ50)

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＊不在の訳＊ページ50

西川 side

最近、札幌不在が多い大将と卓さん。多いというか、ずっと鎌ヶ谷におるらしい。理由を聞けば＂東京での取材が多いけん、鎌ヶ谷おった方がラクやもん＂と言う卓さん。

卓さんと割りかし仲良しの鍵さんに聞いても＂俺もね、それ不思議だと思ってたんだよね。＂と同じ様に疑問に思っていたらしい。

確かに東京での仕事やったら鎌ヶ谷にいた方がラクなのは俺でもわかる。やからって１ヶ月もチームのキャプテンと選手会長が不在って。若干の不信感を抱きながら納会にくれば、しっかり席に座っとる２人。ますます不信や。

7「納会はいてるんですね」

30「そりゃ、納会には来るでしょ」

さすがに。と付け加える鍵さん。後で直接問いただして納得のいく回答をもらったんねん。と意気込めば、突然消える会場の照明。え！？何！！と誰もが思い、どよめき始める会場とは似つかわしくない楽器の音。

ステージに目を移せば、大将と卓さんが１つの木琴？を２人で弾いている。一瞬で、ああ、これを練習していたんだ。と１つ疑問が解決すれば、ほな、どこで？と新たな疑問が生まれる。

連続で２曲弾き終われば、司会者の方からの曲紹介。そして、マイクが大将の手に渡る。

6「今シーズンはリーグ優勝も日本一も逃して、苦しいシーズンでした。怪我や体調不良などで、個々として見ても苦しかったと思います。」

来シーズンは日本一を目指して、死にものぐるいで頑張ろう。という俺ら２人の決意を込めて、１ヶ月間、キャプテンを務めさせてもらっとる俺と、選手会長の卓で、新しく楽器という全く別の世界の物に挑戦してみました。

どんな状況やって必死で練習して努力すれば報われる。ということを若手選手にはもちろん、ベテラン選手、首脳陣にも再認識して欲しいという思いでやりました。あと１曲やるので、楽しんでもらえたら幸いです。

と続けて、司会者にマイクを返す大将。司会者の方からの曲紹介があり、それではどうぞ。と袖に捌ければ、俺らの球団の歌。ファイターズ讃歌。

7「鍵さん、俺、今日から来シーズンに向けて気持ち切り替えて頑張りますわ」

30「奇遇だね。俺もそれ思ってたわ」

俺らのために１ヶ月、色んな人に怪しまれながら練習しとったんだな。と思うと、少しだけ、納会前の自分を反省。ファイターズの要があの２人で、本当によかったと思う。

【マシュマロ】投げお願いします。

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