テレパシー【斉木side】 ページ8
はぁ。なんてこった。
今気づいた。僕としたことが。
Aの考えが読めない。
何年も会ってなかったからそのあいだに何かあったのだろう。
テレビ電話などはしていたが元々あいつは
左脇腹町から遠くの町に住んでいため、会うことはなかった。
なんだ、何が原因なんだ。
授業中、それしか頭に浮かばなかった。
くそ、八方塞がりだ。
キーンコーンカーンコーン
おっと、授業が終わってしまった。
どうしたものか。
Aに話しかけようとしても、周りに人がいて、きっと幼なじみの僕が話しかけようものならみんなの視線は僕にも集中するだろう。
そんな事、あってはならない。絶対に嫌だ。
「なー、おめー、それ指に何つけてんだ?」
燃堂の声だ。Aに話しかけている。
Aの指に目をやると指輪をしていた。
『え?あー、これはね...んー、貰い物の指輪!かっこいいでしょ!』
「おー!かっけーな!」
指輪?指輪...
僕もゲルマニウムが入っている指輪をするとテレパシーが使えなくなった。
指輪...か。それだ!きっとそれだ!
家で聞いてみよう。もうすぐ帰りの時間になる。
それに、幸い今日は金曜日だ。
土日がある。家でゆっくり会話もできる。
そこまで急ぐこともないな。
帰りは...誰かと一緒に帰るのだろうか。
誰かと帰ってもらった方がいいな。
今日は学校に向かうのが少し遅かったから、
登校ラッシュには巻き込まれなくてすんだ。
だから転校生と歩いていてもあまり目立たなかったのだ。
しかし、下校は人が多いからな。
それに、一緒に住んでいる事がバレたら何があるかわからないしな。
「家どの辺なんだー?今度遊びに行くぜ!」
『え!まじで?!やったー!楠雄んちだよ!』
バカっ!!!!
何言ってんだあいつは!!
シーン
教室は静寂に包み込まれる。
みんなの視線が痛い。特に男子の。
「お?相棒んちか?じゃあ遊びに行くぜ!」
はぁ。よかった。燃堂が静寂をぶっ壊してくれた。
馬鹿もたまには役に立つじゃないか。
『うん!きてきてー!!』
やっと1日が終わった。地獄のような1日だったな。
Aは、海藤にこの辺を案内してもらうらしい。
だから僕は一人で帰ることが出来た。
海藤の頭の中はごちゃごちゃだったがな。
実にうるさかった。
土日はゆっくりできる...
そう思っていたのに...
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おかぴぃ。 - ホノボーノさん» 楠雄が楠男になっちゃってますね!!ごめんなさい!すぐ直しますね!!教えてくれてありがとうございます!!! (2018年4月15日 17時) (レス) id: c728dfd7fd (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - くすおのおが違います。楠雄のおは、雄です。 (2018年4月14日 22時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)
おかぴぃ。 - クルミさん» ありがとうございます!!頑張ります...!今年度受験生なんですけど、できるだけ毎日更新できるようにはしたいです!! (2018年4月1日 19時) (レス) id: c728dfd7fd (このIDを非表示/違反報告)
クルミ - 私も海藤君と鳥束君大好きなので楽しみにしています!更新頑張ってください! (2018年4月1日 14時) (レス) id: 117cdf2722 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おかぴぃ。 | 作成日時:2018年3月29日 13時