検索窓
今日:31 hit、昨日:1 hit、合計:78,853 hit

009 ページ9

.





『 金指くん 、今日はありがとう 』

「 ううん 。俺も楽しかったし 」









お菓子を買ってお婆さんにまた来ると
手を振って 、帰り道 。






さっきのことは気にしないように平然を装って 。









パキッと半分に割った板チョコを
金指くんにはいっと差し出す 。









「 ありがとう 」









笑顔で半分に割れた板チョコを受け取る金指くん 、






もうすぐで彼女が出来るっていうことは
この笑顔も私に向けてくれなくなるのかな …


何で私こんな事考えてるんだろう 。









気づけばもう夕焼け空で
肩を並べて歩くこの道に長い影が出来ていた 。









『 明日はどうやって過ごそうかなー 』

「 え?」

『 せっかく過去にいるんだから楽しもうと思って 』









カリっと噛んだ板チョコは
口に入れていると段々溶けて形が無くなっていく 。







そんな板チョコと同じように 、
早く戻らなきゃ 、書き換えないようにしなきゃ
というお堅い考えは私の中で溶けて



せっかく過去にいるなら書き換える勢いで
楽しんじゃおうという考えになった 。














「 … そっか 」









金指くんもカリっと板チョコを噛んだ 。









「 … 今日で2日目 」

『 うん 』

「 明日で3日目だよ 」









伸びた影を見ながら金指くんはそう言ったから









『 うん 、わかってるよ?』









私は不思議に思いながらも返事をしたら
ニコって笑うから何も無いんだと思った 。









「 … 明日の予定は?」

『 どうせあっても書き換えよって言うんでしょ 』

「 えへへ 、そっちの方が楽しいじゃん?」









ハハっと笑って
また板チョコを食べる金指くん 。









『 明日 、金指くんの予定は?』

「 えっ?」









顔を見合わせて笑う 。









「 一緒に俺の過去 、書き換えてくれるの?」

『 ふふ 、勿論!明日は金指くんの行きたい所ね 』

「 えー … どうしよう 」









今までどこか余裕そうな表情だった金指くんが
初めて困った表情をしたから


何だか新しい一面を見た気がして嬉しくなった 。








.

010→←008



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (413 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
443人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

kiko(プロフ) - 感動しました!読んでてすごく引き込まれたので続編が見たいです (2月25日 23時) (レス) @page22 id: c89193cc02 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki☆(プロフ) - 続きが見たいです!でも、作者さんのこと応援したいので無理しないでゆっくり更新してください!他の作品もすごく良かったです! (2019年10月12日 8時) (レス) id: d0758bb83f (このIDを非表示/違反報告)
金指Love - 続きが見たい〜! (2019年8月25日 15時) (レス) id: d0758bb83f (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 待ってます更新 (2018年9月20日 2時) (レス) id: 833ad1f191 (このIDを非表示/違反報告)
いちかわ(プロフ) - 作者さんの作品全部好きです!こちらの作品も楽しみにしてます。 (2018年8月10日 14時) (レス) id: 50dddb31e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるるん | 作成日時:2018年8月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。