検索窓
今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:78,851 hit

020 ページ20

.






『 … 私のこと忘れちゃう金指くんなんて嫌いだよ 』









そんなに辛そうな顔しないでよ 、
私だって辛いんだから …









『 こんなに金指くんのこと好きにさせておいて
金指くんは私のことを忘れるとか信じられないし … 』









そこまで息継ぎをせずに言えば
金指くんは少し驚いたように顔を上げた 。









『 私の記憶が無くなるなんて許せないよ 』









最後まで言い切った時には
金指くんの表情が見えないくらい私は泣いていて

本当にダサいなって 。













『 金指くんの馬鹿 …… 』













最初から何となくだけど
この状態での永遠はないってわかっていた







でも少なくとも私が彼への恋心に気づくまでは
現在に戻ることは無いって思っていて 。















「 Aちゃん …… 」












なのに気づいてしまった恋心 。



そして現在に戻ったら金指くんから
私の記憶が無くなるなんて勝手すぎる 。













『 好き 、なのに … 』














お婆さんは眉を八の字にして私を見ていたから
どうにもならないんだと思った 。














『 うう …… 馬鹿 、馬鹿!』















わんわん泣く私 。



ふわっと金指くんの匂いがした 。
















「 勝手でごめん 」

『 うう …… 』









ああ 、抱きしめられてるんだなって 。






金指くんの胸の音がすぐ近くでする
どくん 、どくんって 。









「 それと 、好きになってくれてありがとう 」









同時にぎゅっと後ろに回っていた腕に
力がこもったのがわかって


私は更にわんわん泣いた 。













「 Aちゃんのこと好きになって本当によかった 」











彼と離れるのが嫌で
私も彼に腕を回した 。












「 記憶は無くなっちゃうけど絶対に見つけるから 」














根拠のない言葉 。



だけど私は頷いた 、何度も何度も 。













『 見つけなかったら許さない 』

「 絶対に見つけるよ 、約束 … 」









まだ溢れる涙で前が見えなかったけど
唇に温もりを感じた 。












「 だから … 俺への気持ち忘れないでね 」











そう言った彼の腕の中で
私は泣き疲れて眠ってしまった 。












「 Aちゃんのこと大好きです … 」













そう囁く彼の声を最後に 。






.

021→←019



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (413 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
443人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

kiko(プロフ) - 感動しました!読んでてすごく引き込まれたので続編が見たいです (2月25日 23時) (レス) @page22 id: c89193cc02 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki☆(プロフ) - 続きが見たいです!でも、作者さんのこと応援したいので無理しないでゆっくり更新してください!他の作品もすごく良かったです! (2019年10月12日 8時) (レス) id: d0758bb83f (このIDを非表示/違反報告)
金指Love - 続きが見たい〜! (2019年8月25日 15時) (レス) id: d0758bb83f (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 待ってます更新 (2018年9月20日 2時) (レス) id: 833ad1f191 (このIDを非表示/違反報告)
いちかわ(プロフ) - 作者さんの作品全部好きです!こちらの作品も楽しみにしてます。 (2018年8月10日 14時) (レス) id: 50dddb31e3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるるん | 作成日時:2018年8月10日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。