【悪戯科学者】珠世 ページ3
「…はい、それでは始めましょうか」
『あ、はい!』
俺は今、珠世さんと一緒に
鬼の始祖、鬼舞辻無惨を倒す為の薬品作りに心血を注いでいる。
俺が街で噂の科学者と聞いて
協力して貰いたかったらしい。
後ろの愈史郎さんは凄く嫌がっていたけれど。
開口1番「貴方が噂のイタズラ科学者さんですか?」って聞かれた時は驚いたけど。
遊び感覚で薬の調合してた結果が
そんなあだ名なんてあんまりだと思う。
これでも薬には詳しいんだから
あまりバカにしないで貰いたいものだ。
「おい!貴様!それ以上珠世様に近付くな!!!!」
薬品の瓶を渡そうとして珠世さんに近付くと、愈史郎さんが俺に怒声を浴びせる。
その大袈裟な怒り様に
先程の事もあってか、俺は即座に察する。
そんなに自分の想い人が他の男に
近付かれているのが気に食わないのか。
「愈史郎。暴力はやめて下さい」
「はい!珠代様!」
俺に手を上げようとした愈史郎さんを見兼ね、珠世さんは愈史郎さんに注意をする。
すると今までの怒りは何処へやら。
あっさりと引き下がる。
「そして次はこれの調合をお願いします。材料はこの通りで……」
珠世さんから次の瓶を受け取って俺は再び席に戻る。
珠世さんと話している間、
愈史郎さんからの鋭い視線が痛いの何のってありゃしない。
俺はそんな視線に気付かないフリをして調合を続ける。
……お巫山戯で始めたモノが
ここまで有名になって。
それが鬼の始祖を倒す為の薬を作る事になるなんて、一体誰が予想しただろうか。
…まぁ。俺のこんな特技が役に立つなら願ったり叶ったりだから別にいいけれど……。
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作者名:ふわくん | 作成日時:2022年2月6日 8時