得体の知れない想い ページ12
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マンションに着くと、いつものように裏口から入って
いつものようにエレベーターに乗り込み部屋に入る。
それがあまりにも自然で、それくらいここには何回も来てしまっていたんだなと気づく。
いくらカズとはいえアイドルの部屋に頻繁に上がり込むなんて。
頭では分かってたはずなんだけど…なんで止められなかったんだろう。
カズ「先風呂入れば？」
慣れたように声かけられて、心臓が疼く。
この部屋に何人の女の子が来たのかな。
こんな何食わぬ顔でこのセリフが言えるなんて。
さっきみたいに、チクリと胸が痛む。
A「カズ先にいいよ。ちょっとかなに連絡するから」
少しそっけない声質になってしまいハッとすると案の定怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
カズ「無理やり連れてきたことまだ怒ってんの？」
A「怒ってるわけじゃないけど…」
カズ「じゃあなに…ちゃんと聞くから教えて？」
そう言って、ソファに座るよう促される。
カズの隣に腰をおろすと、焦げ茶色の瞳に真正面から見据えられた。
それならこの際、と思いカズに身体を向けて座り直す。
A「今日のカズ変だよ」
カズは黙って私を見たまま動かない。
A「楽屋に連れてきてくれたことは嬉しかったよ？メンバーにも挨拶できたし。でも…お酒取り上げたりあんな急に連れ出したり…カズの考えてることよく分かんない」
カズ「Aがぼーっとしてるから飲みすぎないように気をつけてあげてただけでしょ」
A「じゃあもう気にしなくて大丈夫。私そこまで弱くないし、ある程度は飲めるから。」
カズ「それに」
カズの声が少し大きくなる。
カズ「お前がチヤホヤされてたから、なんかイラッとしただけだよ」
A「…え？」
まって、なにそれ…
本当に嫉妬してたってこと…？
心臓がバクバクと音を立て始める。
A「い、意味わかんないよ！みんなは気つかって盛り上げてくれてただけ…」
カズ「んなこと分かってるよ！でもなんでこんなイライラすんのか俺だって分かんねぇんだよ！」
吐き捨てられた言葉は乱暴なのに、なぜか心が揺さぶられた。
A「なにそれ…変だよ…」
カズ「…知ってる」
カズが顔を上げて、その瞳が私をとらえた。
腕を伸ばし、指が私の頬にゆっくり近づいてきて
もう少しで触れそうになったとき
カズ「っ…、わり。シャワー浴びてくる」
パッとその手を引っ込めて、カズが立ち上がった。
お風呂のドアがバタン、と閉まった音を聞いて、
自分が息を止めていたことに気づく。
そして私はあのまま
カズに触れてほしいって、そう思ったんだ。
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ゆず(プロフ) - 続きが気になり一気に読んでしまいました！更新楽しみにしてます (5月21日 20時) (
レス) id: 2cfd32ee74 (このIDを非表示/違反報告)
MILK - 読んでいてとても楽しかったです！これからも頑張ってください！(=^ェ^=) (2023年3月31日 15時) (レス) @page18 id: 6fb80e3aaf (このIDを非表示/違反報告)
あおば(プロフ) - ららなさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいです。ゆっくりな更新になってしまってますが、これからもよろしくお願いします＾＾ (2023年3月20日 13時) (レス) id: f7d7729b51 (このIDを非表示/違反報告)
ららな - とてもおもしろくてキュンキュンしました！続きも楽しみにしています！ (2023年3月16日 0時) (レス) @page15 id: 43dcf108d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリサ.
| 作成日時：2023年2月21日 15時
