ただそれだけのこと ページ34
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ちがうのに…翔さんだから…
翔さんにしかこんなこと言わない。
でもそれは言ったらいけないような気がして、
口に出しかけたその言葉をそっと飲み込む。
伝わってほしい、
伝われ。
翔さんの身体を、ぎゅーっと抱きしめる。
翔「…Aちゃん、翔さん苦しいよ？」
A「…」
翔「おーい」
A「…」
翔「Aさん、聞いてる？」
知らない。
もっと苦しめばいい。
私のこと想って、苦しんで。
止められない想いが、私のことを狂わせる。
翔「……」
翔さんは何も言わない。
だけど、抱きしめてくれている腕だけは解かないまま。
翔「…Aちゃん」
A「はい」
翔「ほんと、狂いそうなんですけど」
A「え？」
翔「俺が狂ったら責任とれる？」
A「…」
翔「なんてね。俺が我慢できるうちに、いい子になったほうがいいよ」
A「いい子…？」
翔「俺は、……、」
何かを言いかけて、口をつぐんだ。
そのときの翔さんの顔は少しだけ悲しそうに見えたけど、気のせいだったかのように次の瞬間には元に戻っていた。
そして翔さんが腕をほどいてそっと身体を離し、
翔「昨日はありがとね、楽しかった」
と言って、一度も振り返らずに出て行った。
ドアの閉まる音がやけに大きく感じて、
しばらくそこから動くことができなかった。
A「なに………？」
翔さんの考えてることが分からない。
少し近づけたと思ったのに、翔さんは線を引いてこちら側に入ってこなかった。
今の自分は、自分じゃなかったみたい。
気持ちを抑えられなくて、翔さんになら何されてもいいって本気で思っていた。
翔さんが困っても、私で困ってほしいって
私で苦しんでほしいって
そう思ってた。
抱きしめられたときのあの温もりを、力強さを、自分だけのものにしたいって
こんな欲張りになったからバチが当たったんだ。
A「ばかだなぁ、私」
忘れよう。
全部忘れて、今までのことは全部夢で、
私たちは最初から、出会わなかった。
お隣さんって知らないままのほうが
ずっとずっとラクで
ずっとずっと…
A「ほんと、ばかみたい…」
頬に涙がつたったのを感じた。
今この瞬間でさえも好きだと思う。
こんな単純なことをずっと誤魔化してたんだ。
翔さんが好き。
ただそれだけだったんだ。
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アリサ.(プロフ) - ゆずみかんさん» はじめまして！キュンキュンして頂いているようで嬉しいです(；ω；)！申請ありがとうございます、承認しました！ (2017年9月22日 18時) (
レス) id: 94a9c7fcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん - はじめまして！めっちゃキュンキュンしながら読ませてもらってます！ツイッターの方に許可申請出させてもらったので、もしよければ許可お願いします！ (2017年9月21日 19時) (レス) id: eaaf907f51 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ.(プロフ) - あっこさん» はじめまして、コメントありがとうございます嬉しいです…！毎日読み返して頂いてるなんて光栄すぎます。。(；ω；) (2017年9月6日 14時) (レス) id: 94a9c7fcff (このIDを非表示/違反報告)
あっこ(プロフ) - はじめまして！このお話大好きです！毎日読み返し、キュンキュンして毎日の楽しみです！ (2017年9月5日 23時) (レス) id: df0f1316e7 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ.(プロフ) - ひとみさん» はじめまして、コメントありがとうございます(；ω；)！日々の生活の中にこのお話が楽しみとして加えられてること、とても嬉しく思います。ご期待に応えられるよう頑張ります！これからもよろしくお願いします！ (2017年9月4日 10時) (レス) id: 94a9c7fcff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリサ.
| 作成日時：2017年8月5日 22時
