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五「で?そろそろ話して欲しいんだけど。何で戻って来たか」
シラフの五条さんがベロベロになりつつある私に問いかけて来た。
『社内恋愛してて結婚間近だった彼氏が浮気してた挙句、相手の子を妊娠させて破談になったんですよ。会社にも居辛くなって辞めちゃって』
五「うーわ。逆にそんな男のどこが良かった訳?身体の相性?」
『身体の相性なんてわかる訳ないじゃないですか。初めての彼氏だったし上手い下手なんて知りませんよ』
五「え?イった事とかないの?」
『無いです』
五「下手くそな奴に限って浮気するんだねー」
『浮気相手にすぐ乗り換えられたし。会社にはすぐに辞表受け入れられるし。私の存在意義って何なんでしょうね』
グイッとビールを煽る。
酔いのせいか下世話な話までスルスルと自分の口から暴露していた。
五「だからって毎回諦めた様な顔で任務に行かれるのは心配だな」
『五条さんは昔から優しいですよね。私の憧れです』
五「憧れねぇ…」
『出戻って来てから死ぬのは怖くないと思っていたんですよ。でも、今日は怖くなっちゃって。やっぱり私って中途半端な人間なんだなって情けなくなりました』
運ばれて来た何杯目かわからないおかわりのジョッキに口をつけながら溜息が漏れる。
五「ねぇ、さっきもうこういうのは懲り懲りって言ったのは何で?」
『職場恋愛とかしたら、関係が壊れた時にまた自分の居場所が無くなるのが嫌なんです』
五「そう…」
『五条さんの事は信頼してるし尊敬してるし大好きですよ。でもそういう関係になった時、この関係が壊れるのが嫌なんです』
五「僕の事好きなの?」
『好きですよ?』
躊躇いもなく言い放った私の一言に五条さんは驚いた様子だった。
瞼が重い。
任務の疲労とアルコールが相まって意識が混濁してきた。
五「おーいA、大丈夫?帰れる?」
『んー?無理です。今すぐここで寝たい』
五「家の住所言える?」
『わかんない』
五「あーあ…」
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作者名:K | 作成日時:2022年3月16日 0時