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傷も癒えた頃、七海を誘って久々にバーに行った。
『医務室のベッドに寝てたら五条さんにキスされた』
私の発言に七海はうわぁと言う顔をしていた。
七「貴女が怪我をして帰ってきたと聞いた五条さん、かなり焦っていましたからね」
『焦ってた?なんか、怒ってたよ』
七「貴女が怒らせるような事でも言ったんじゃないですか?」
『別に、私の身体が傷だらけになろうが、子供産めない身体になろうが、私なんてって言ったら口を塞がれた』
七海はまた溜息を吐いて続けた。
七「それは、自分が大切に想っている相手が自身を貶めるような発言をすれば誰だって怒るでしょう」
『…え?』
七「五条さんは貴女の事が大切なんですよ」
『後輩としてでしょ』
七「ただの後輩に口付けする人がいますか?」
『だって五条さんだよ?』
七「…貴女も大概ですね。大体五条さんは貴女が高専に戻って来ると知った瞬間に関係を持っていた女性達との連絡を絶ったような人ですよ?」
『何それ。自惚れちゃうじゃん』
七「自惚れても良い案件だと私は思いますが」
お酒が進むにつれて気心の知れた同期に色々な事を話し始めていた。
『私ね、何回かお酒の勢いで五条さんに抱かれてるんだ』
七「複数回ですか」
『朝になったら何も覚えてないって嘘つくの。五条さんも何もしてないよって合わせてくれるの』
七「貴女が職場恋愛はもうしたくないと言ったから五条さんが合わせてくれていたと」
『多分ね。でも今回の一件で、もうただの先輩と後輩じゃ無くなっちゃった』
七「…そもそも貴女は見境なしに身体を預けるようなタイプでは無いと思っていたのですが」
『私ね、学生の頃五条さんの事好きだったから。今でも憧れてるし』
七「お付き合いしたらどうですか?あの人クズですけど」
『…五条さんに捨てられたら今度こそどこにも居られなくなっちゃうよ。自分自身の価値観がもうわかんないし』
七「はぁ…今の貴女の自己肯定感の低さは良く理解しました。でも、もっと周りを見て下さい。貴女を必要としている人は大勢います」
『ありがとう七海』
七「今度は灰原も誘いましょう」
『そうだね』
自分がAと2人きりで呑んでいるのがあの人にバレた時に後々面倒だからと言う意味を理解していないな。と七海は何回目かわからない溜息を吐いた。
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作者名:K | 作成日時:2022年3月16日 0時