ナミダの海を越えて行け (ページ29)

今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:21,546 hit

13 ページ29

.

阿「大事な息子さんに傷をつけるようなことなんて、、、してませんよね？」

「ﾌﾌｯ………………………人聞きの悪い。この子喧嘩っ早いんで、どうせ喧嘩でもしたんでしょう」

阿「じゃあ、、、風邪引いて、高熱出して、1番辛いときのこいつのSOSに気付きましたか？」

「風邪？」

阿「身体触ったらすぐわかるくらい熱かったんです！！！

僕に電話がかかってきて。「助けて」って。

本当なら、大好きなお父さん、お母さんに助けて欲しいはずなんです！！！」

「蓮、、、お前、、、体調悪かったのか？」

阿「こいつ、どんなに辛くても、病院には行きたがらなかった。それは！お父さんが大好きだからですよ。
こんな身体見られたら、自分のせいでお父さんがどうなるかわからない。迷惑かかっちゃうからって。

なのにあなたは、、、、
いま目黒を連れて帰って、また恥をかかせたって暴力振るうんですか？」

「………………………………………………………」

阿部は真剣な眼差しで話を続けた。

阿「今ならまだやり直せます。お願いです。こいつを大事にしてやってください。
…………………抱きしめてやってください」

目黒は泣きながら話を聞いていた。

「蓮、、、、、、」
父親は床に脚をつき目黒に向かって土下座をした。

「すまなかった！！！本当に……すまなかった！！！」

頭を下げたままの親父に近寄り

「頭上げてよ。」

「蓮！」
ｷﾞｭｯ

「ﾋｯｸｯ………ﾋｯｸｯ………お父さん………」

「蓮…………」

力強く父親に抱きしめられる目黒は
幼く、小さく見えた。