47 迫る恐怖 ページ47
改めて執務室に一人戻って自分のデスクに座ると、また閉じられているパソコンの上に水色の付箋が一枚貼られていた。
恐る恐る手に取って文章を見ると、その一文に背筋が凍った。
" もうすぐ君を迎えに行くね "
…なに、これ、どういう意味?
これを書いた犯人の意図が分からないまま、付箋を持った手が恐怖で震えていると、
「何してんだ?」
「!!」
後ろから声をかけられて驚いた私は、咄嗟に付箋を白衣のポケットにしまった。
足音が近づいてきて改めて後ろを振り向くと、浬がいつも通りの無表情で立っていた。
「お前、顔色悪くないか?」
そっと浬の手のひらがおでこに置かれた。
「冷た…っ」
冬場で冷え切った浬の手が冷たくって、思わず小さな悲鳴を上げると直ぐに手が離された。
「熱は無さそうだな」
「別に、具合は悪くないよ」
「ならいいが」
…本当にいつも通りすぎる。
私が具合が悪くないとわかると、自分の席に座ってパソコンを弄り始めた。
「あのさ、浬…」
浬にだけは付箋の事を相談してみようか悩んだが、そこまで言いかけて口を閉ざした。
佐倉さんのボディーガードをしてる浬に相談しても、困らせるだけだよね。
「どうした?」
「今から売店行ってくるけどクリームパンいるかなーって」
「あー、あったら買ってきて」
「はーい!では、行ってきます」
本当の事も言えず話を誤魔化したまま、私はクリームパンを求めて売店へと向かった。
1496人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あおい - これって、自分と、天堂浬がくっつくんですか?教えてください!お願いします! (2021年6月6日 15時) (レス) id: 585e7a9e81 (このIDを非表示/違反報告)
mioパンマン - めっちゃ面白くていいと思います (2020年4月9日 14時) (レス) id: a4269e138c (このIDを非表示/違反報告)
コモリさん(プロフ) - 気になってソワソワします(;_;) (2020年2月12日 1時) (レス) id: 54db963109 (このIDを非表示/違反報告)
みー子 - すごく面白くて毎回更新楽しみにしてます!大変だと思いますが体に気をつけてムリのないペースでいいのでぜひ続けてください! (2020年2月11日 23時) (レス) id: 0fbbcda6a6 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気見しちゃいました!更新大変だと思いますが、楽しみに待ってます!頑張ってください! (2020年2月11日 22時) (レス) id: 2af277127c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:如月香葉 | 作成日時:2020年1月31日 0時