I LOVE...【恋つづ/天堂浬】

45 黒い影 ページ45

「私、やっぱり浬の事が…」

「ストップ」

「へ？」



来生の返事に答えを出そうとしたのにも関わらず、ストップを言い渡されてしまった。



「まだ天堂と付き合ってないんでしょ？」

「ま、まだ、だけど…」

「なら、まだ好きでいてもいいよね？俺にもチャンスが無いとも限らないしさ」

「…来生」



私の好きな人が来生だったら、ここでハッピーエンドなのかもしれないけど…。
来生が私を諦められないように、私も浬の事が諦めきれない。
何度冷たくされても、突っぱねられても、やっぱり簡単には諦められないんだ。



「じゃ、この話はここまで。早く行かないと天堂に怒られるぞ？」

「ちょ、待ってよ！」



子供のように無邪気に笑って先に歩き出した来生に続いて、私も駆け足で来生に追いつくとそこから並んで歩いた。






そんな私達の姿を遠目で見つめている人影にも気づかずに…。




ーーーーー



衣服に着替えて朝の打ち合わせ場所であるスタッフステーションに来生と向かうと、



「おそーい！」



先にいた浬から何故か怒られた。
打ち合わせ開始時間30分前に着いたというのにどういう事だ。



「…すみません」



とりあえず謝ってパソコンの画面を覗くと、昨日救急で搬送された鶴岡さんのデーターが流されていた。

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