I LOVE...【恋つづ/天堂浬】

42 偽恋人 ページ42

飲みながら流子さん達の話に耳を傾けると、話し合いの結果は、佐倉さんに付箋を渡したのはストーカーの仕業と結論が出たのはいいが、今後どうやってストーカーに対してどう対処していくかに話題は変わった。



「暫く俺が佐倉ちゃんをガードするよ！なるべく行き帰り一緒になる様にして」

「確かに、ななこちゃんに何かあってからじゃ遅いもんね。うん、じゃあ頼んだ！こうじ！」



来生はいつこうじになったんだろうと、流子さんの名前間違いに苦笑いを浮かべるが、目の前の浬は興味なしといった感じでコーヒーを飲んでいる。



「まぁ、…暫く恋人っぽく振る舞ってみて？」

「恋人？」

「来生先生と？」

「それとも浬！あんたやる？」

「はぁ！？」



いきなり話を振られて驚いて三人の方に向くと、佐倉さんと目が合い気まずそうに目を晒す浬。
その光景を見てモヤモヤする。





浬が佐倉さんのボディーガード…？





佐倉さんの身を守る為に仕方がない事だと分かっていても、二人が一緒にいるところは見たくない…。
浬なら断ってくれる、そう思っていたのに、



「否定しないって事はいいって事だよねー！よーし！浬頼んだぞー！」



流子さんの解釈で話が決まってしまった。
面倒くさそうな表情で何も言わず椅子に項垂れる浬と、ソファー前で口元を緩ませて明らかに喜んでる佐倉さん。
ああ、こんな時彼女の立場だったら嫌だって言えるのに…。
そんな二人の姿を見て更にモヤモヤが募っていく自分にも嫌気がさす。

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