I LOVE...【恋つづ/天堂浬】

22 確信犯 ページ22

神田さんを病室に送り届けて執務室に戻ると、浬と来生と佐倉さん達が楽しそうに話していた。
その中に入っていいものか迷っていると、入り口で立ち尽くしていた私に来生が気付いて手招きしてくれた。



「何突っ立ってんの、こっち来なよ」

「あー、うん」



てか、私の席の前で談話されてるから座れないし、浬は先程の件を根に持っているのか視線が突き刺さるように痛い。



「Aは彼氏居ないよね？」

「え、何の話？」

「今、天堂先生に彼女が居ないか確認してて」



成る程、その流れで私にそういう質問が投げられた訳ね。
てか、佐倉さん結構積極的だな…、浬相手に凄い。



「好きな奴はいるみたいだぞ」




唐突に浬がそう二人に話すと、佐倉さんは目を輝かせて「そうなんですか！」と迫ってくる。
浬の方をチラッと見ると、何故か口元に手を当ててどこか嬉しそうにパソコンを眺めている。





絶対確信犯だよね！この人！





興味津々の佐倉さんに適当な嘘をついて、この話を終わらせようと思ったら、来生に肩を回されて身体ごと引き寄せられた。



「じゃあ、俺にもチャンスがあるって事だよね？」

「へ？」

「え！来生先生ってA先生の事…！」



その時、バンッと机を叩きつける音が室内に響き渡り、それを合図に会話がピタリと止んだ。

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