キミだけのonly one ー完結ー (ページ9)

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09 意地悪ページ9

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隣で彼女の寝息が聞こえ始めたのを確認して、ゆっくりと上半身だけ起き上がらせると、案の定スヤスヤと気持ちよさそうに俺の隣で寝ている。

「何で平気で寝れるんや、こいつ…」

意地悪したい気持ちが湧き出て、ほっぺたを指で軽く押すと、彼女はうーんと唸って眉間にしわを寄せたあと口を少し開いた。

「……ヒカル」

「！？」

起きたのかと思って驚くと、目は開けないしまた寝息を立て始めた。

「寝言かい…」

幸せそうに眠る彼女を見ていたら自然に口元が上がった。

床に置いてあった上着を見つけて中から携帯を取り出すと、まえっさんからの心配しての着信履歴が沢山残っていた。

ー…昼の撮影前には帰る、これでええか

今自分がどこで何しているかは伝えず、最低限の文言だけを送って携帯の画面を閉じた。
またベットに戻って横になったものの、家の大きいベットに身体が慣れてしまったせいか、狭くって寝づらい。

ー…朝怒られそうやけど

ぐるっと身体を回して背を向けたままの彼女を後ろから抱きしめてみた。
ふわりと彼女の髪からはシャンプーのいい匂いがして、身体の感触も柔らかく、突発的な気持ちをぐっと抑え込んだ。

ー…流石にここで手を出したら怒られるどころか殺されるわ

今までは俺に好意がある女の子相手だったし、同意のものだったが、彼女は俺の事を何も知らないわけだ。
抱き枕にして寝てる事自体も少しやばいけど、そこは彼女に何か意地悪をして反応を見てみたい気持ちが優ってしまった。

「ふわぁぁ…」

自然と欠伸が漏れた。
俺も彼女を抱きしめたまま、また訪れた睡魔に瞼を閉じて寝入った。