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サクラの不安 ページ4

その日の夜、俺はAが部屋にいないことに気付き、辺りを見てみるとドアの方でバタンと扉が閉じる音がした。

「A…?」

外に出るとAは目を閉じて、手を組んで
何か祈っていた。そして祈りが終わると、
夜空を見上げて、一人で何かを言っていた。

「Aのやつ、誰と話してんだ?」

俺は建物の影に隠れて、Aを見守ることにした。

『こんばんは、アルタイル』

〔そなたか、元気か?〕

『うん…元気だよ』

私は祈りを終えて、夜空に輝いている星
アルタイルと会話をしていた。この世界に
来る前、ユリアという人から貰ったこの
ネックレスのお蔭で星と対話ができるから
不思議と寂しくなかった。

〔この世界に来て、楽しいか?〕

アルタイルが私に聞いてきた。

『ううん。まだわかんない。ユーリたちの
ことは悪い人だとは思ってないけど…』

〔けど…何だ?〕

『けど、怖いんだ。裏切られるがすごく怖いんだ。元の世界でもそんな風に生きてきたから』

〔A、大丈夫だ…そなたの仲間を信じてみよ〕

『でも私、信じて方も、頼り方も、わからない」

〔大丈夫だ。彼を信じてみなさい〕

『彼?』

〔そなたの後ろにいる黒髪の青年だ〕

『え?』

アルタイルにそう言われ後ろを見ると、
そこにはユーリが立っていた。

『ユーリ…』

「A…」

俺はAに近づき、そっと抱き締めた。

『ユ、ユーリ…?』

『俺たちのこと信じられないか…?」

『怖いんだよ、見捨てられたらどうしようとか裏切られたらどうしようとか…元の世界でもそうだったから…』

「A…」

『何…?』

「俺たちはお前を見捨てなんかしないし、
裏切るつもりもない。だから、少しずつでも
いい。俺たちを信じてくれないか…」

『ユーリ…』

Aが消えてしまいそうな声で俺の名前を
呼んだ。

「大丈夫だから…」

『うん…』

俺がそう言うと、Aは弱々しく頷いた。

ユーリとアルタイル→←サクラのフルート



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香織(プロフ) - 白兎さん» ご指摘ありがとうございます。間違っていた所直しました (2019年12月11日 19時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
白兎(プロフ) - 小さなことをすみません。フルートの話のところ、キャラたちの紹介のところ、「レイブン」ではなく「レイヴン」だと思われます。 (2019年12月3日 13時) (レス) id: 4b927784f3 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - かなとさん» フラグ外しました。 (2019年5月14日 11時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月2日 17時) (レス) id: 18d6d807bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:香織 | 作成日時:2019年4月30日 19時

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