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頼ること 信じること ページ16

Aは空を見上げて、もう一度俺たちの方を見ると…

『みんなっ…ただいま!』

と満面の笑みで言った。

「「おかえり!」」

俺たちは一斉にAに言った。

「そうだ!A!」

『何?カロル』

「もう一回、フルートやってよ」

『えっ?フルート?』

「私も聞きたいわ、あんたのフルート」

『リタ…』

「俺様も、聞きたいな…」

『レイヴン…』

「俺も聞きたいな」

『ユーリ…みんな…うん!よろこんで!』

私はみんなに笑顔で答えた。

「みんな、俺はAに話があるから先に
行っててくれないか?」

「わかりました」

「向こうで待ってるね!」

「おう!」

みんなが行ったのを確認して俺はAに
向き直る。

『ユーリ…話って?』

「A…もう星剣は使わなくていいんだよ
な?』

ユーリが真剣な顔で聞いてきた。
まさか星剣のことを聞かれるとは思って
なかった私は目を見開いた。

『うん…そんなことはもうないよ。
あの後、剣は消えちゃったし…』

「そっか…ま、いざとなったら俺が
守ってやるから…」

『ユーリ…』

「お前に助けられたし、たまには守らせてくれよ…」

『…ユーリ!』

俺がそう言ってAの頭を撫でると、
Aは俺に抱きついてきた。

「おわっ!どうしたんだよ?」

『私…生きてていいんだよね…?』

「当たり前だろ?」

『我慢しなくて…いいんだよね…?』

「あぁー、もう我慢しなくていい。
泣きたいなら…泣けよ」

『う……ああぁぁぁぁぁぁぁ!!』

悲鳴にも似たAの泣く声が辺りに響く。
俺はそんな、今にも消えてしまいそうな
Aを強く抱きしめた。
しばらくすると、Aの泣き声も
治まってきた。

「落ち着いたか?」

『うん…ありがとう…ユーリ』

「いいって…じゃ、下町に戻りますか!」

『うん!』

こうして、俺たちは下町に戻って、
思い思いの日々を過ごした。

「ねぇー、ねぇー、Aちゃん?」

『何?レイブン?』

「Aちゃんのフルート、夜に演奏するっていうのはどう?」

『えっ?夜に…演奏…?』

「いいですね!それ!」

「あぁー、いいんじゃねーか?
下町のやつらには俺が言っといてやるよ」

『えっ…でも…』

「言っとくけど…みんな迷惑だなんて
思ってないからな」

私の思っているのがわかったのか、ユーリは
私の頭を撫でた。

『わかった…じゃあ、練習しなきゃだね
夜までに…』

「おう!楽しみにしてるぜ?」

私とユーリはお互いに顔を見て微笑んだ。

下町での演奏→←星たちの奇跡



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香織(プロフ) - 白兎さん» ご指摘ありがとうございます。間違っていた所直しました (2019年12月11日 19時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
白兎(プロフ) - 小さなことをすみません。フルートの話のところ、キャラたちの紹介のところ、「レイブン」ではなく「レイヴン」だと思われます。 (2019年12月3日 13時) (レス) id: 4b927784f3 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - かなとさん» フラグ外しました。 (2019年5月14日 11時) (レス) id: feeb4f844f (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月2日 17時) (レス) id: 18d6d807bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:香織 | 作成日時:2019年4月30日 19時

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