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竜 「それ、俺の台詞じゃない?
しばらく俺、Aちゃんのお家に帰ってきてもいい?」
そう言うと、
彼女の目から静かに涙が溢れ落ちた。
拭おうとしたが、その前に、
彼女自ら俺の首に腕を回し、肩に顔を埋めてきた。
そして消え入りそうな声で、うん、と、
一言返事が俺の耳に届く。
竜 「怖かったな。
5日間もこんなの届いたら
あんま眠れなかったろ?
もしかして、ご飯も食べれてなかった?」
抱き締めながら話しかけていると、
彼女の身体が小さく震え出す。
竜 「もう大丈夫だから。
1人で頑張らせてごめんな?
ちゃんと助けてって言えて、偉かったよ。」
背中を摩りながら
そう言うと、泣き始めた彼女。
『こわっ、かった……!』
竜 「よしよし。
もう俺が一緒にいるから、
いくらでも泣きな。」
しばらくして落ち着いてきた彼女が
ゆっくりと顔を上げ、少し身体を離した。
『りんど、くん。』
竜 「ん?どした?Aちゃん。」
『……おなか、へった。』
竜 「へ?
ぷっ、あはははっ!
そっか、お腹減ったよな。
2人で美味しいモン食べに行こうって言ったもんな。」
『……うん、言った。』
竜 「よーし、竜胆くんと
とびきり美味しいの食いに行こうか。
帰りにアジトに寄って、
着替えとか取ってきていい?」
『あの、…本当にいいの?』
竜 「んー?何が?」
『その、しばらく、ここに…、いてくれるって…。
お仕事に差し障ったり、しない?』
竜 「当たり前じゃん。
仕事も、何も問題ない。
大事な子がこんな怖い思いしてんのに、
呑気に自分の家に帰る方がしんどいよ。
あ、勝手に決めちゃってごめんな。」
『竜胆くん…。』
また涙が滲んできた彼女のおでこに
優しくキスを落とした。
竜 「じゃあ出掛けよ。
俺、玄関で電話してるから、
ゆっくり準備しておいで。
ちゃんとあったかい格好してくるんだよ?』
『はいっ…!』
Aちゃんがリビングから出て行ったのを見て、
玄関でココに電話を掛ける。
九 「はい。」
竜 「ココ?俺。今いいか?
なんかAちゃん、マズいことになってる。
誰かに付き纏われてるっぽい。」
九 「……何?」
ココに、彼女から聞いたことや、
インターホンの人物について話した。
まだアジトにいるらしく、マイキーには直接報告してくれるとのこと。
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きりん。(プロフ) - yumさん» この春千夜は、好きになっちゃいますよね。作者ですらそう思います。笑 嬉しいお言葉、ありがとうございます! (2022年12月7日 21時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)
yum - いや、もう、マジで神です。春千夜、、、ヤバい、カッコよすぎる。きりん。さん天才すぎます。語彙力ゴミですみません💦 (2022年12月7日 19時) (レス) @page50 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月??_低浮上_さん» 可愛いですね!ほっこりしました(^^) (2022年12月7日 19時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)
紫月??_低浮上_(プロフ) - きりん。さん» ʕ•ﻌ•ʔฅ´- はい! (2022年12月7日 14時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月??_低浮上_さん» 実は、私的にはさらに甘い展開を、この後ご用意しております!ぜひお楽しみに! (2022年12月7日 14時) (レス) id: c098a97284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月25日 19時