． fin ページ49
中華の後には、ケーキも待っていて、
食べられるか不安そうに聞いてきた彼女は、
俺が、食べる、と即答すると、
嬉しそうに苺のケーキを持ってきた。
もちろんケーキも彼女の手作りで、
ケーキの上のチョコレートのプレートには、
誕生日おめでとう、ではなく、
ココくんだいすき、と書いてある。
思わず、可愛すぎだろ、とツッコんだ。
誕生日特典で、彼女を俺の膝に乗せ、
ケーキを食べさせてもらったが、
あーんさせる側の彼女が照れに照れまくる。
ま、それが分かっていたから
やらせてみたのだが。
ケーキが無くなる頃には、力尽きた様子だったけど、
私の誕生日にはココくんにやってもらう、と。
2人で顔を見合わせて笑った。
そして、用意してくれたものを全て美味しくいただくと、
食器を片付けた彼女が、寝室へ消えていった。
待つこと、およそ20分。
寝室から出て来た彼女は、装いを一変。
3ヶ月前に誂えに行った、あの小紋だ。
藍色の地に、繊細な撫子の花が咲いている。
帯は淡い黄色で、よく見ると撫子の花があしらわれている。
正真正銘、フルオーダーメイド。彼女のためだけの一品。
髪型もポニーテールから、軽いアップヘアに変わり、
そこにはあの鼈甲の簪。
九 「似合ってる。やっぱり、いいな。
A、すごく綺麗だよ。」
「ありがとう、ココくん。本当に嬉しい。
…でも、良かったの？
ココくんの誕生日なのに、私が着物を貰うのがプレゼントだなんて…。」
そう、実は以前彼女から
誕生日に何が欲しいか聞かれた時に、
着物を誂えるから、それを受け取って欲しい、
と頼んだのだ。
浴衣を贈った時に、よく似合っていたのを見て、
涼しい季節だけでなく、
幅広く着られるような着物を贈りたいと、
ずっと考えていた。
正直、唯一の欲しいものは、もう俺の傍に居てくれているから、
欲しい��物��は無い。
それならば彼女から貰いたいものは…と考え、
思いついたのが、
俺が贈ったもので着飾る姿と、喜ぶ顔だった。
九 「これでいいんだ。
…いや、これがいいんだよ。
俺にとっては、家で食べるお前のメシが1番のご馳走で、
ずっと、そうやって俺の傍でお前が笑ってくれれば、
俺はもう何もいらねェ。」
彼女は目に涙を滲ませ、
笑顔で頷いた。
「ココくん、お誕生日、おめでとう。
ずっとずっと、傍にいさせてね。」
九 「あぁ、ありがとう。最高の誕生日だ。」
fin
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!? - 笑い方が「くくっ」なの可愛いですね。 これからも応援してます！ (4時間前) (
レス) @page50 id: 37f7d05f89 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 結菜さん» こんばんは！お返事が遅くなり申し訳ありません。結菜さん、コメントありがとうございます(^^)こちらは作者の処女作でございますので、拙い所が多かったかと思いますが、そんな風に喜んでいただけて、こちらこそ感謝です♡これからも頑張りますね！ (5月4日 22時) (レス) @page6 id: 6b6f0eef09 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - こんばんは！ 私初めてきりんさんのを読みました私ココの夢小説を初めて見たのがきりんさんで、すごくドキドキが止まりませんでした🥹この小説を書いてくれたきりんさんに感謝です！最後ココと結婚できて幸せでした^_^これからも頑張ってくださいね😁 (2023年5月3日 19時) (レス) @page50 id: 095a959140 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 春姫さん» 春姫さん、初めまして！この度は私の作品に目を止めて頂き、キュンキュンしていただき、ありがとうございます♡理想以上なんて、感激です！他の作品も甘めな仕上がりでございますので、ぜひぜひ♡まだまだ拙い所が多いですが、頑張りますのでどうぞご贔屓に♡ (2023年2月6日 1時) (レス) id: b6f0d8e87f (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - はじめまして。凄く素敵な作品で、読むのを止めることが出来ずに一気読みしてしまいました！甘々なココ、危ない時に守って欲しい、梵天メンバーとのやり取り…など、自分の理想以上の展開でとてもキュンキュンしました！！きりんさんの他の作品もまた読ませて頂きます♡ (2023年2月6日 0時) (レス) id: 0a738029e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん。
| 作成日時：2022年11月5日 18時
