九井さん、今日はどうしましたか？ 5

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それからさらに3ヶ月後。





今日は4月1日。俺の誕生日。
Aは家にいると言うのに、俺はというと…勿論仕事。
ま、誕生日も記念日もこんな感じだから、
彼女も俺も慣れている。




「三途さんにばっかりお仕事押し付けて来ちゃだめだよ？」





玄関まで見送りに来た彼女の台詞に
朝から笑ってしまったが、
いざ家から出ようとしたら、
ぎゅっと後ろから抱きついてきて、





「……ココくんの好きなもの作って待ってるから、なるべく早く帰ってきてね…。」






と、照れながら言うもんだから、
家から出るのに苦労した。







ちなみに彼女は、昨日、つまり3月いっぱいで退職。
今日から専業主婦となり、
正直俺の心配は一つ減った。
彼女には言っていなかったが、
実は、俺の念願だった。










そして、珍しくアジトに来ていた鶴蝶の、
誕生日ぐらい早く帰って嫁さんに祝ってもらえ、
との、まさしく鶴の一声により
早めの帰宅を果たした。






鶴蝶、ありがとな。
俺にはそれが、
アジトでもらった中では一番の誕生日プレゼントだ。






他の奴らときたら、
カロリーメイトに、エナドリ、スポドリ、栄養剤。
…お前ら、もっと働けってか？殺すぞ。






領収書の束に熨斗つけて来たやつもいた。
…死ね、三途。
















ガチャッ。



「あっ、おかえりー、ココくん！早かったね！」





九 「ただいま。
ん、いい匂いすんな。
もう食えんの？腹減った。」





「食べれるよー。
それとね、無事に今日、届いた！」





九 「予定通りだな。
さすが女将の紹介先なだけはある。
後で、見せてくれんだろ？」





「う、うん、実はそれが一番不安だけど、
女将さんと特訓したから、頑張るね…っ。」





九 「くくっ、困ったら俺が手伝ってやるよ。
楽しみにしてる。
じゃあ、先シャワー浴びてくるな。」






「はーい、ご飯盛り付けちゃうね！」











シャワーから浴びてリビングに入ると、
さっきのいい匂いがさらに強くなり、
ますます腹が減る。
テーブルの上には中華がズラリ。俺の好きなモンばかりだ。





「ココくん、座って座って。
はい、ご飯。」





九 「ん。ありがとな。
もう食っていいのか？」






「もちろん、どうぞ。
いっぱい食べてね！」






九 「いただきます。」





Aはにこにこしながら俺を見ていて、
最初に手をつけた中華風の豚の角煮を
俺が、うまい、と言うと、
さらに破顔して、ようやく箸を取った。

． fin→←．※

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