． ページ31
ココくんと蘭さん、竜胆さんは、
そういうことはなかったが、
ホテルの一室をあっさり買い取ったりするほどの経済力。
あの若さで、この羽振りの良さは尋常ではない。
そんなわけで、察してはいた。
普通の人達ではないことを。
でも、ココくんは私に知られたくないようで。
私は、彼が説明してくれるまでは
待とうと決めていた。
万 「…知らないフリ、してやってくれてたんだな？」
「そんな大層なことでは…。」
万 「…でも、ちゃんと知っておくべきだ。
それで自分の身を守れることもあるかもしれない。
いいか？ココの女ってだけで、利用価値はとんでもない。
三途も、蘭や竜胆も、それが分かってるから
様子を見に来てる。
…まあ、アイツらはAのことかなり気に入ってるってのもあるけどな。
もちろん、俺も。
…だから今から教える。
口外しないって、約束できるか？」
「…はい。」
マイキーさんは真面目な顔で私にそう聞くと、
緊張しながら返事をした私を見て
一度頷いてから、手にしていた鯛焼きを口に放り込む。
そしてゆっくりと話し始めた。
万 「…………だから、俺たちと関わるのは
危険どころの話じゃない。
…でも、ココはお前のことを手放さなかった。
最初は、まぁ、都合が良くて、
最悪殺されても、代わりは幾らでも…くらいの女だからそばに置いてるのかと思ってた。
でも、あの日、俺らがお前を助けに行った時
俺に頭を下げたアイツを見て、
違うって分かったよ。
どんなに危険だって分かっていても
手放さなかった。
…いや、手放そうとしても、出来なかったのかもな。
だから、お前を守るって覚悟決めたんだろう。」
いつの間にか泣いていた私の頭を
マイキーさんは優しく撫でて、
こう続けた。
「アイツなりに考えて、
Aに何も言わずにいるんだろう。
怖がらせたくねェとか、な。
だけど、きっといつか打ち明けてくる。
その時は、黙って聞いてやってくれ。
もちろん、知ってた、なんて
絶対言うなよ？」
私は涙を止めることはできなくて、
ぐちゃぐちゃの顔のまま、
ただ何度も頭を縦に振った。
万 「おい、そろそろ泣き止め。
そんで、お茶淹れて。
そっちの鯛焼きも食うから。」
その言葉に思わず笑った私は、
涙を拭いて、
新しく淹れたお茶をマイキーさんに渡した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 510人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
!? - 笑い方が「くくっ」なの可愛いですね。 これからも応援してます！ (5月2日 19時) (
レス) @page50 id: 37f7d05f89 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 結菜さん» こんばんは！お返事が遅くなり申し訳ありません。結菜さん、コメントありがとうございます(^^)こちらは作者の処女作でございますので、拙い所が多かったかと思いますが、そんな風に喜んでいただけて、こちらこそ感謝です♡これからも頑張りますね！ (5月4日 22時) (レス) @page6 id: 6b6f0eef09 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - こんばんは！ 私初めてきりんさんのを読みました私ココの夢小説を初めて見たのがきりんさんで、すごくドキドキが止まりませんでした🥹この小説を書いてくれたきりんさんに感謝です！最後ココと結婚できて幸せでした^_^これからも頑張ってくださいね😁 (2023年5月3日 19時) (レス) @page50 id: 095a959140 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 春姫さん» 春姫さん、初めまして！この度は私の作品に目を止めて頂き、キュンキュンしていただき、ありがとうございます♡理想以上なんて、感激です！他の作品も甘めな仕上がりでございますので、ぜひぜひ♡まだまだ拙い所が多いですが、頑張りますのでどうぞご贔屓に♡ (2023年2月6日 1時) (レス) id: b6f0d8e87f (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - はじめまして。凄く素敵な作品で、読むのを止めることが出来ずに一気読みしてしまいました！甘々なココ、危ない時に守って欲しい、梵天メンバーとのやり取り…など、自分の理想以上の展開でとてもキュンキュンしました！！きりんさんの他の作品もまた読ませて頂きます♡ (2023年2月6日 0時) (レス) id: 0a738029e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりん。
| 作成日時：2022年11月5日 18時
