. ページ28
三途さんと女性が去って、
また2人に。
九 「A、とりあえず家に帰ろう。」
私は何も言わずに、ただ小さく頷いた。
ココくんの車に乗って、お家に帰ってきた。
玄関の扉の前まで来たくせに
そこで立ち止まった私を見て、
彼は優しく手を引いてくれた。
九 「少し…、久しぶりだな。顔見て話すの。
ちゃんと、説明したい。
聞いてくれるか?」
さっきまでとは違う、優しい声。
私は、眉を下げ困ったような顔をしている彼の目を見て頷いた。
ソファに並んで座り、
彼は私の手をとって話し始める。
最近家に帰れなかったのは、仕事。
さっきの女性の父親が経営する会社を、
吸収合併するために忙しくしていた。
言い寄られてはいたが、
蘭さんや竜胆さんにも同じ様子で、
吸収合併が無事に済むまでは無碍にも出来なかったらしい。
…三途さんには、口が悪すぎて言い寄らなかったとか。
クラブにいたのは、下手にレストランや料亭に行くより、
2人っきりになるのを避けられるから。
たしかにあの時、他にも女性が席にいた。
でも、密着されちゃ駄目だよな、ごめん、と彼は頭を下げた。
「でも、毎日家に帰ってるって聞いたよ…?どこに行ってたの…?」
九 「ここに帰ってきてたよ。
…あー、ごめん、ちゃんと言えばよかったな。
Aが寝てる時に来てた。どうしても、顔が見たくて。
見てすぐ仕事に戻ってたんだ。」
そう言って彼は、
私の熱を持ってきた頬を撫でて話を続けた。
九 「帰ってくるって言えば、
A、起きて待ってたり、
メシ作ったりしちゃうだろ?」
「でも、私だって毎日会いたかったから、
言ってほしかった…。」
九 「そうだよな、ごめん。
Aの体調も心配だった。
少し前からあんまり食べれてないだろ?かなり痩せたぞ。顔色も悪いし。
だから、せっかく眠ってるのを起こしたくなかった。」
「気付いて、た、の……?」
九 「こんなに変わりゃ分かるだろ。
仕事、辛いのか?
それともまた変な客じゃねェよな?」
「減ったって言っても1キロだよ…?普通気付かないよ…。
実は、ココくんが、浮気…してるかもって。
お財布に、女の人からのメモを大事にしまってるって聞いて…。」
九 「は?浮気?
はー。そんなんするわけねェだろ。
なんで1番傍に唯一大切な女がいてくれンのに、他の女の相手しなきゃなんねェんだよ。
A、そろそろ本当に自覚しろ?」
510人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
!? - 笑い方が「くくっ」なの可愛いですね。 これからも応援してます! (5時間前) (レス) @page50 id: 37f7d05f89 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 結菜さん» こんばんは!お返事が遅くなり申し訳ありません。結菜さん、コメントありがとうございます(^^)こちらは作者の処女作でございますので、拙い所が多かったかと思いますが、そんな風に喜んでいただけて、こちらこそ感謝です♡これからも頑張りますね! (5月4日 22時) (レス) @page6 id: 6b6f0eef09 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - こんばんは! 私初めてきりんさんのを読みました私ココの夢小説を初めて見たのがきりんさんで、すごくドキドキが止まりませんでした🥹この小説を書いてくれたきりんさんに感謝です!最後ココと結婚できて幸せでした^_^これからも頑張ってくださいね😁 (2023年5月3日 19時) (レス) @page50 id: 095a959140 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 春姫さん» 春姫さん、初めまして!この度は私の作品に目を止めて頂き、キュンキュンしていただき、ありがとうございます♡理想以上なんて、感激です!他の作品も甘めな仕上がりでございますので、ぜひぜひ♡まだまだ拙い所が多いですが、頑張りますのでどうぞご贔屓に♡ (2023年2月6日 1時) (レス) id: b6f0d8e87f (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - はじめまして。凄く素敵な作品で、読むのを止めることが出来ずに一気読みしてしまいました!甘々なココ、危ない時に守って欲しい、梵天メンバーとのやり取り…など、自分の理想以上の展開でとてもキュンキュンしました!!きりんさんの他の作品もまた読ませて頂きます♡ (2023年2月6日 0時) (レス) id: 0a738029e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時