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次の日、兄貴がAちゃんのところに行くと言うので、
俺もついて行った。
手土産には、ベルギーのチョコレート。
この前、梵天管理下のキャバの嬢が、
今、このチョコ、女の子たちに大人気なんですよー。
と、言っていたもの。
チョコレートが入った小洒落た紙袋を持つ俺を見て、
兄貴はにやにやしてたけど、スルーした。
彼女のホテルへ向かっていると、
兄貴の携帯に着信。
蘭 「はあー。竜胆、Aちゃんとこ行くの、お預け。
裏切り者が出たらしい。一旦アジトに戻るぞ。」
竜 「…わかった。」
裏切り者の始末と諸々が終わったのは、
日付を跨いでしまうような、深夜だった。
もちろん彼女は帰宅しているだろう。
あーあ。せっかくチョコレートに喜ぶ彼女の顔が見れると思ったのに…
なんて考えながら、
それでも買い取った部屋で休むだけ、と、
向かったのは彼女の勤務するホテル。
そして現在。
医務室の前。
ここまで来ると重症だな、と自嘲した時、
中から大きな物音と一緒に彼女の声がした。
竜 「…っ!A?!」
「へ?り、竜胆さん?!
これはお恥ずかしいところを…。」
中に入るとデスクの脇に尻もちをつくように座るA。
何でもうたた寝をしていたら、椅子から落ちたらしい。
笑いながら手を貸し、起こしてやる。
「…すみません、ありがとうございます。
ところで竜胆さん、どうしましたか?こんな時間に…。」
竜 「いや、Aちゃんこそどうしたの?こんな時間まで…。」
「私は今日、夜勤ですよ。
ちょっとうたた寝しちゃいましたけど、仕事中です。
竜胆さん…は…、って!
怪我してますよ、手!
ちょっと待ってて下さいね。あっ、そこ、座って下さい。」
竜 「(いや、違うけど。無意識で来ただけなんだけど。まぁ、いいか。)
…あぁ。」
「はい、お待たせしました。
消毒しますよ。上脱いでいただいても?」
竜 「…うん。」
「腕も怪我してるじゃありませんか…。
あらら、これは…痛かったですよね。
ちょっと沁みますけど、
我慢して下さいね?」
竜 「…うん。」
「……よし、これを貼って…。
次は腕もいきますよ。
今度はもっと沁みるかも…、
ごめんなさいね…、頑張って…。」
竜 「…Aちゃん。」
「はい、消毒OKです。
こっちはガーゼ貼りますね。
はい、どうしましたか?」
竜 「…俺のこと、さん付けじゃなく、
呼び捨てにしてよ。」
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!? - 笑い方が「くくっ」なの可愛いですね。 これからも応援してます! (8時間前) (レス) @page50 id: 37f7d05f89 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 結菜さん» こんばんは!お返事が遅くなり申し訳ありません。結菜さん、コメントありがとうございます(^^)こちらは作者の処女作でございますので、拙い所が多かったかと思いますが、そんな風に喜んでいただけて、こちらこそ感謝です♡これからも頑張りますね! (5月4日 22時) (レス) @page6 id: 6b6f0eef09 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - こんばんは! 私初めてきりんさんのを読みました私ココの夢小説を初めて見たのがきりんさんで、すごくドキドキが止まりませんでした🥹この小説を書いてくれたきりんさんに感謝です!最後ココと結婚できて幸せでした^_^これからも頑張ってくださいね😁 (2023年5月3日 19時) (レス) @page50 id: 095a959140 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 春姫さん» 春姫さん、初めまして!この度は私の作品に目を止めて頂き、キュンキュンしていただき、ありがとうございます♡理想以上なんて、感激です!他の作品も甘めな仕上がりでございますので、ぜひぜひ♡まだまだ拙い所が多いですが、頑張りますのでどうぞご贔屓に♡ (2023年2月6日 1時) (レス) id: b6f0d8e87f (このIDを非表示/違反報告)
春姫(プロフ) - はじめまして。凄く素敵な作品で、読むのを止めることが出来ずに一気読みしてしまいました!甘々なココ、危ない時に守って欲しい、梵天メンバーとのやり取り…など、自分の理想以上の展開でとてもキュンキュンしました!!きりんさんの他の作品もまた読ませて頂きます♡ (2023年2月6日 0時) (レス) id: 0a738029e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時