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万 「………はぁ。」





佐野万次郎は、珍しく困惑していた。





梵天の首領である自分の前で、
寝こける女を初めて見たのだ。




今日も今日とて眠れずにいた。
ふっと、あの時のホットミルクが思い出し、
間抜け面でソレを出してきた女を
何となく連れてきた。




ココからの報告によると、
一言で言えば優秀。




最初に試した通り、
情報処理能力に長けており、
PCの技術も高い。
そこが気に入って、ここに置くことを許した。




しかし、あまりにも警戒心が薄い。
それで本当にやっていけるのか心配になるほどに。
なぜ連れて来られたばかりの場所で
そんな安心した顔ができるのか。




連れてくる間も、
連れてきてからも、
コイツから俺に対する警戒心を感じない。
…まぁ、多少緊張はしているようだったが。




それでもまさか。
まさか、俺の隣で寝るとは思わなかった。




さすがに呆れたが、
嫌な気分は、……しなかった。




万 「…おい、」




試しに声を掛けるも
聞こえてくるのは穏やかな寝息。
…まぁ、いいか。




俺はソイツを放っといて寝ようと、
ソファから立ちあがろうとした、が。





クイッ。





万 「…は?




…はぁー。」





お約束なのか、この展開は…。
服の裾が掴まれており、
後ろに軽く引かれる感覚。





万 「仕方ねぇな…
っと、……何だこの女、かっる。」





軽々と抱き上げると、
まさに言葉通りの軽さ。
内臓、入ってんだよな…?




ベッドに女を転がし
隣に自分も身体を横たえた。




いつもよりも温かく感じるのは、
さっき飲んだホットミルクのせいなのか、
隣にコイツがいるせいなのか、
…はたまた両方か。




今なら眠れるような気がして、
俺も目を閉じた。














2時間ほど寝たらしい。
起きると朝の7時。




Aはまだ寝ているが、
服の裾からは手が離されていた。
俺は部屋から出て屋上へ。




ビルが高すぎて、
下の様子はよくわからないが、
多くの人が行き来しているだろう。





後ろに気配を感じ、
声を掛ける。







万 「……三途か。」






春 「はい。」






万 「俺の部屋に…、あの女がいる。
……部屋まで送ってやれ。
もしまだ寝てたら起こすなよ。」






春 「……分かりました。」






万 「……なァ、信じられるか?
あの女、俺の目の前で呑気に寝やがった。くくっ。」





春 「マイキーの、目の前で、ですか…?」






万 「あぁ。



…行け。」

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きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» がんばります!ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな?疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - いや…すきで読んでるんで!!!キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、? (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです! (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時

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