口説かないで下さい 3 【三途春千夜】

． ページ9

……本当に綺麗な顔。
しかも色白だし。うわー、睫毛、やば。
き、きす……してもいい、かなぁ。
ほっぺなら、バレないかな。





春 「おい、するなら早くしろ。」





『え？！あっ……んっ…。
ちょっと！
起きてたなら、紛らわしい顔しないでよ……！』





春 「顔の近くでそんだけウダウダされてりゃ
嫌でも起きるに決まってんだろ。
決まったか？行くぞ。荷物寄越せ。
腹減った。」





春千夜は私の手からショッパーを奪い取り、さっさと歩き出した。
そして支払いを済ませ、お店を後にする。
店員さんがにっこり笑って、おまけ付けてますので、と言っていた。
何だろう？おまけとかテンション上がるよね！





春千夜は自分の物を見てくると言いながら、
私用のメイク落としなどのスキンケア用品や基礎化粧品を見て買ってくれていたらしい。
全部合わせると大きなショッパーが4つにもなり、
それを全て運んで車につけてくれた。
ほんと、優しいんだか、何なんだか。





『なんか、私……、すっごい悪い女みたいじゃない？
こんなに買わせて、運ばせて……。
ありがとね、春千夜。』





春 「何言ってんだ、バーカ。」





コイツの前だと、やっぱり可愛くなれない私は、
結局余計な一言を言ってしまったけど、
笑ってくれた春千夜が、
コレであの時のことはチャラな？と言ったので、
うん、と頷き、車に乗った。





春 「ウチに帰るぞ。
いい加減冷凍庫のアレ、何とかしろ。
だから今日コイツで迎えに来たんだからな。」





『あはは、そうだね。
まあ冷凍庫にあったなら大丈夫でしょ。』





春 「チーズケーキも入ってる。
フザけた箱は昨日捨てた。」





『あー、アレね。
……なんか根に持ってる？
だってあの時は、あんな仕返しでもしないと
いてもたってもいられなかったんです。』





春 「何で俺があんなブスと。
思い出しただけで胸糞悪ィわ。」





『もー。ふふっ、ごめんて。
そうだよねー。
春千夜君は、私のことが大好きなんだもんねー？』





春 「くっそ生意気な女。」





春千夜はそう言うと私のスカートの裾へ手を伸ばし、
膝の辺りから手を差し込み、内腿をするりと撫でた。





『ちょっと！どこに手入れてんのよ！
それと、今度は安全運転にしてよね！！』





春 「はいはい。」




私はえろ千夜の手の甲を軽くはたき、
手首を掴んでポイっと追い出した。
そして私達はあの日のご飯をやり直す為、
春千夜のマンションへ向かった。

早く帰ってきて→←可愛くおねだりは出来なくても

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す