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『〜っ!!卑怯者!!』
春 「相変わらずキス一つで蕩けた顔しやがって。
このまま襲うぞ。」
『……だめ。』
春 「んな顔で言われても説得力ねーよ。
とりあえずもう一回させろ。」
『あ。部長だ。』
春 「あ゛?」
春千夜越しに、窓の向こうに見えたのは、
今日、素晴らしいファインプレーで
私を救ってくれた部長。
『あの人、私の部署の部長。
女子社員に囲まれてたのを助けてくれたんだから、
アンタも感謝しなさいよね。』
歩いて帰宅しているであろう部長を
指差してそう言えば、
春千夜は私の指の先の彼を見て、表情を険しくした。
こら!今日のMVPに対してなんて顔してんのよ。
春 「何だアイツ。
鶴蝶にそっくりじゃねぇか……。
胸糞悪ィな。
お前、必要以上にあの男に近寄るなよ。」
『かく、ちょう?
何それ、人の名前?中国とかの人?』
春 「……あぁ。そうだ。
まぁお前は気にすんな。
別に会うこともねぇだろうからな。」
春千夜、友達いなさそうだし、
会社関係の知り合いかな?
本当によく似ているらしく、目を細めて、
タッパはあの男の方がねぇな……、
なんて、ぶつぶつ言っている。
『ふーん?まぁいいや。ねぇ、帰ろ。
送ってくれるんでしょ?
久しぶりのこっちの仕事で疲れちゃったー。』
春 「は?送るのは明日の朝な。
いちいち泊まりの準備して来んのもめんどくせーだろ。
まだ時間余裕あっから、服買いに行くか。
他の物も揃えてやる。」
明日の朝?
服買いに行く?他の物も揃える?
んー?この男は何を言ってるのかな?
あ、さては疲れてるんだな!
うんうん、そうに違いない!
それでも迎えに来てくれるなんて良い奴……、
春 「……オイ、なんだその顔。
さっき自分で、俺の家に来るっつっただろーが。
行くぞ。シートベルト締めろ。」
『え?嘘でしょ?冗談だって。
しかも泊まり?!
ねぇ、明日朝早いの!せめて夜送ってってよ。』
春 「冗談?そんなん反社に通じると思ってんのか?
それにお前、朝スんの好きだろ。
すげー濡れてたぞ?
まぁ俺も鬼じゃねぇ。朝は1回で許してやるよ。」
春千夜はにやっと笑って
サイドブレーキに手をかけた。
そしていつもの急発進。
『ま、待って待って!
ちょっ、ほんと…、ぎゃー!!
ねぇ、ぶつかるってば!
せめて、せめて安全運転にしてー!!!』
……コイツを彼氏にした一昨日の私、血迷いすぎ。
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きりん(プロフ) - ちいさん» 作者もそう思いつつ、書いてます( ; ; ) (2023年1月24日 6時) (レス) @page49 id: 50a8b891d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 早く助けてあげて〜(>_<) (2023年1月24日 2時) (レス) @page48 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 継澪♪_ほぼ無浮上_さん» 春千夜が彼氏だと、色々インパクト強すぎて、いない時、考えちゃうかなーと思い、あんな感じになりました(笑)可愛いって、言ってもらえて嬉しいです!!( ; ; ) (2023年1月21日 21時) (レス) id: 50a8b891d8 (このIDを非表示/違反報告)
継澪♪_ほぼ無浮上_(プロフ) - ずっと春ちゃんのこと考えてる夢主ちゃん可愛い!早くあえるようになれー! (2023年1月21日 18時) (レス) @page40 id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - ちいさん» そう言っていただけるなんて、本当に光栄です!!恋人編にはもう少しココくん出す予定なので、楽しみにしていて下さると嬉しいです(*゚▽゚*) (2023年1月18日 4時) (レス) id: ee22706dc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん | 作成日時:2023年1月13日 9時