恋人になっても話は通じない ページ3
部長に助けてくれたお礼を言うと、
先輩にはすぐバレそうだから、
今日は仕事終わったら早めに帰りなね、と言われた。
たしかにあの魔女なら……、
そう思いながら仕事終わりに帰る準備をしていると、
エレベーターから降りてきた先輩の姿を
視界の端で捉えた。
嘘、本当にバレて、再尋問に来た?!
さすがに今日は久しぶりで疲れたから早く帰りたい!
私は反対方向の奥のドアから急いで廊下に出て、
階段で下に降りた。
そして裏口から外に出て、
厄介ごとの原因であるあの男の元へ。
そして、謎のプレイを始めようとしたおバカを連れて
車に乗り込んだ、という訳だ。
助手席の私が頭を抱える横で、
また見当違いなことを言い始める、
ド派手頭の、………私の恋人。
春 「珍しいな、お前から車に乗りたがるなんて。
何だ?またウチに来るか?
それとも、今日はホテルにすっか?」
『………はーるーちーよーくん?
なーんで、私の会社に来たのかな?』
春 「あ?昨日迎えに行くっつっただろーが。
寝惚けてんのか?」
『違う!今日じゃなくて!
数日前に受付まで来たわね?!
何よ、S証券って!アンタがっつり反社でしょ!』
春 「受付だァー?
………あぁ、そういや行ったな。」
『また女子社員に捕まって大変だったんだからね!
後ろ姿撮られてたし、
私の名前まで出してるから、
もう逃げられないかと思ったわよ!!
アンタ顔だけはいいんだから、騒ぎになるって自覚して!』
春 「そりゃ受付嬢への嫉妬か?
大丈夫だ、A。もう顔も覚えてねぇよ。
ただ、そうだな……、
あの受付、香水キツすぎて、マジで鼻曲がるかと思ったわ。
それだけは覚えてる。」
相変わらずだめだ、こいつ。
まぁ、付き合うことになったからって、
いきなり話が通じるなんてありえませんよねー。
私が浅はかでしたよ!
春 「お前は、ちょうどいい匂いだよな。
これくらいさりげない方が、唆る。」
『んっ……あ……ちょっと……!
……やっ…あ……。』
がっくり項垂れる私の方へ
身を乗り出して顔を寄せてきた春千夜。
顔の横の髪を耳にかけ、
露わになったうなじをぺろりと舐めて、耳にキスをしてきた。
春 「はっ、イイ声だな、A?」
『……やめてよ、ばか。
誰かに見られたら……。』
春 「スモーク貼ってっから見えねェよ。
オラ、顔上げろ。
わざわざ迎えに来た恋人に、キスくらいさせろや。」
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きりん(プロフ) - ちいさん» 作者もそう思いつつ、書いてます( ; ; ) (2023年1月24日 6時) (レス) @page49 id: 50a8b891d8 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 早く助けてあげて〜(>_<) (2023年1月24日 2時) (レス) @page48 id: dc2461d50b (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - 継澪♪_ほぼ無浮上_さん» 春千夜が彼氏だと、色々インパクト強すぎて、いない時、考えちゃうかなーと思い、あんな感じになりました(笑)可愛いって、言ってもらえて嬉しいです!!( ; ; ) (2023年1月21日 21時) (レス) id: 50a8b891d8 (このIDを非表示/違反報告)
継澪♪_ほぼ無浮上_(プロフ) - ずっと春ちゃんのこと考えてる夢主ちゃん可愛い!早くあえるようになれー! (2023年1月21日 18時) (レス) @page40 id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん(プロフ) - ちいさん» そう言っていただけるなんて、本当に光栄です!!恋人編にはもう少しココくん出す予定なので、楽しみにしていて下さると嬉しいです(*゚▽゚*) (2023年1月18日 4時) (レス) id: ee22706dc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん | 作成日時:2023年1月13日 9時