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「おや?萩原刑事、珍しいですねお一人だなんて」
胡散臭く、憎たらしいほどの笑顔で話しかけてきたのは警察学校時代の同期、安室透こと降谷零。
ポアロでAちゃんと待ち合わせていた。
「あっ、Aちゃん!こっちこっち」
「ごめんね、待たせちゃって」
「俺も今来たところだから」
お昼のピークの時間帯を過ぎたからか店の中は俺たち2人と店員の降谷だけの空間となった。
話すのには丁度いいな。
ボックス席に向かい合って座ると降谷が注文を聞きにやってきた。
「貴女は確か、松田の…?」
「あ、萩原くん達のお友達でしたっけ…?」
「はい。安室透です。お久しぶりですね」
「安室、透…?」
「ちょっとこいつ訳ありで…」
「あっ、なるほど…」
そういやこの2人、警察学校時代に何回かだけ会ったことあるんだったっけ。
松田から何かしら話は聞いていたのか、すんなりと理解してくれているようだ。
アイスコーヒーを2つ頼み、「で、本題なんだけど…」と切り出すと同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あら、萩原刑事じゃない!」
振り返ると、美和子ちゃんと交通課の由美ちゃんがいた。
まさか知り合いに会うとはな…
何でポアロにしてしまったんだろうか…
とは言いつつもポアロくらいしか思いつかなかったんだよね。
「もしかして萩原刑事の彼女?」
「ち、ちがうよ…」
2人に近寄りAちゃんから遠ざける。
「コソッ)実は、あの子前に言ってた松田の元カノなんだよね」
「コソッ)へ〜!あの子が松田くんの今でも忘れられない元カノなんだ。なかなか可愛い子じゃない!」
「コソッ)それで、どうして萩原刑事と?」
「コソッ)昨日偶然再会してさ、この機会に松田の誤解を解こうって思って」
「コソッ)それならわたし達も協力してあげる!」
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「この2人、後輩で。同じ捜査一課の佐藤美和子ちゃんと交通課の宮本由美ちゃん」
「はじめまして。AAです」
「せっかくだし、お邪魔してもいいですか?」
「え、ええ…どうぞ」
おいおい…由美ちゃん…
ぐいぐいくるな
Aちゃん引いてるじゃないか。
「お邪魔しまーす」と言いながら俺の隣に座ってくる由美ちゃんと、「ごめんなさいね」
と言いながらもちゃっかりとAちゃんの隣に座っている美和子ちゃん。
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作者名:y0shin0 | 作成日時:2021年6月8日 23時