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「松田くんって彼女いないの?」


萩原と共に捜査一課に異動して早くも3年が経とうとしている。

今や警察学校時代の同期である伊達も同じ部署に異動となりそこそこ楽しくやっている。


そんな今日は仕事終わりに何人かで飲みに来ている。


斜め向かい側に座っている交通課の宮本から飛んできた質問。


「陣平ちゃんは元カノのことが忘れられなくてさ〜」


と俺の代わりに言う萩原。

ったく、余計なこと言いやがって…


「へ〜。松田くんの元カノってどんな子だったの?」

「高校の時の同級生だったんだけど、まあ可愛かったよ。マドンナ的存在だったし」

「それでそれで?何年付き合ってたの?」

「確か高2から23くらいだっけ?」

「ってことは7年くらい付き合ってたってことよね!」

「松田くんってこう見えて一途だったんだ!」


こう見えてってどういう意味だよ…


「おい、勝手に俺の話してんじゃねぇよ」

「まあいいじゃないの!で、7年も付き合ってた彼女とどうして別れたの?」

「それがね〜、結婚の話までいってたんだけどね…」

「お前、いい加減に…」

「ちょっと松田くんうるさい!」


俺が止めに入るも宮本により制止がかかる。

酒もいい感じに回ってきてるせいか、いつもうるさいくらいに厳しい佐藤でさえテンションが上がってきて俺の恋愛事情に興味を持っている。


「松田さん…ここまできたらもう佐藤さん達は止められませんよ…」と隣に座っている高木は言う。

そういや、高木と佐藤はできてるんだよな…

なんなら宮本もいるらしいし。

伊達も結婚したし。萩原は適当に遊んでるし。

こいつら全員リア充かよ。


はぁ…


「実はね〜、彼女の両親から娘には金持ちとの縁談があるから別れてほしいって言われてさ。それで陣平ちゃん彼女に黙って姿を消したってわけ」

「へぇ…それで…」

「それからもう5年くらい経つけど未練タラタラってわけ」

「まあ、そうなるわよね…」

「その彼女は今何してるのかしらね」

「流石にそこまでは分かんないんだ。陣平ちゃんと別れてから俺も連絡取らなくなったし。…ってごめん!全部話しちゃった」


悪気なんてなさそうに謝る萩原に思わず殴りそうになったがグッと堪え、舌打ちをかました。




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作者名:y0shin0 | 作成日時:2021年6月8日 23時

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