80'S【今日から俺は！！】 (ページ6)

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帰り道にそっと構える、少し小さな喫茶店。

その一角で2人は、
レモンスカッシュの気泡をしゅわしゅわと鳴らしながら他愛のない話を弾ませていた。

「そしたらな、女装した伊藤さんと三橋さんが奴等に近付いてって……」

心なしか呆れたような顔で話す京子、もとい、圧倒的美少女。

小学校卒業と同時の引越しによって積もった4年間分の話題があるとはいえ、入店してから3時間ほど経った今ではすっかり話尽くしてしまった。

そこで「最近どう？」と聞いてみたのだが、まさか某ツッパリコンビと私の相棒が仲良くなっているとは…。
どことなく不思議な気持ちである。

「とにかく京ちゃんが無事でよかったよ…
スケバン、危険も多そうだし大変だね」

「だーいじょうぶだって！この早川京子様はそう簡単に殺られねぇよ

ところでAは、スケバンやんないのか？」

せっかく喧嘩強いしホントは不真面目な癖に…なんて、京子が勿体ないとでも言いたげに問いかけた。

別にスケバンが嫌いなわけじゃない。

むしろ短ランにも、丈の長いスカートにも、マブいくるくるパーマにも、仲間と自由気ままに学校生活を送ることにも、実は強く憧れている。

ただ私にはそれが出来ない理由があるのだ。

「あー…ウチはほら、親が厳しいからさ」

「そっか…じゃあ仕方ないな」

「でもまぁ、マインドはスケバンだから」

制服が普通でも、
マブいくるくるパーマじゃなくても、
いくら見た目が普通でも、中身はスケバン。

「マインドか…Aっぽいくて良いな！」

「でしょ～！」

京子をガッカリさせたくなくて咄嗟に出た言葉だったが、わりと良いこと言ったんじゃない？さすが私。

ということで今日から私は！！
見た目は平凡、中身はスケバン。

すなわち
マインドスケバンになることにした。