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「おはよーAちゃん!」


「おはよ!」




語り明かして仲良くなったクラスの子と挨拶を交わす。

なんて穏やかな日々。


詐欺なんてするもんじゃないよねやっぱり。
昨日の犯人には反省して欲しい。



「昨日さぁ、詐欺っぽいLINE送られてきたんだよね」

「詐欺?大丈夫なのそれ?」


「うん、ブロックしたから!でもなんか聞いたことある名前だったんだよね…」



登校してきた隣の席の子に「おはよう!」と声掛けつつ、詐欺師の名前を思い出そうとする。


んー、何だっけ…

漢字の密度高かった気がする。



「…あっ、思い出した。竈門炭治郎。名前長いよね」



ふふ、と笑って言うとその子は固まった。

期待していたリアクションと大きく違うため、何か変なことを言ってしまったかと不安になる。


恐る恐る顔を覗き込むと、その子は真顔になって控えめに口を開いた。



「ごめんそれ、私が教えた」


「ん?………え?」



「竈門炭治郎、この学校にいる人だよ。なんか教えてくれって土下座されたからさ、断れなくって。ごめん…」




空いた口が塞がらないとはまさにこのこと。


いやいやまさか、同じ学校だったとは。

しかも友達に聞けば、どうやら私と同じ高等部一年にいるらしい。


詐欺師と思ったら、違ったのか……ごめんなさい。

謝っても謝りきれない。



「ぶ、ブロック解除しないと」


慌ててLINEを開き、昨日微笑みながらしたブロックを解除する。

いやもう、ごめんなさいホントに。
話くらい聞けば良かったよね。罪悪感。



でもなんで私とLINEしたかったんだろ?
土下座する程でも無くない?

てか「覚えてないのか?」って何?名前すら知らなかったよ。




Aごめんなさい…あの、どちら様ですか?







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作者名:みっ | 作成日時:2020年6月14日 19時

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