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その三人の顔を見た時、何故かものすごく懐かしい気持ちになった。

会ったことなんてある筈ないのに、胸に引っかかっていた何かがすぅっと溶けていくような。




「A…?」



_______それは校内を歩いている時だった。

ふっと振り向けば、金髪の人とピアスの人、そして半裸の人がそこにいた。


…キャラが濃い。



「A……!やっと会えた!!今まで何してたんだよッ!!」



金髪の人がわんわん喚きながら私に抱きつく。

あぁぁ、新しい制服が涙と鼻水で汚れていく……


他のふたりも私を見て泣きそうな顔をした。




「えっと…」



_____お名前は?

そう問えば、三人は驚いた様子で顔を見合わせる。




「覚えてないのか?」


「会ったことありましたっけ…?」



口をあんぐりと開けたまんまの三人に疑問が募る。


確かに初めて会った感じはしないけど、記憶の中に三人の顔は無い。

ただただ懐かしさがそこに在るだけであって、私たちは全くの初対面のはずだった。



みるみる絶望の色に変わっていく三人の顔を見て何か申し訳ない気持ちになる。




「ごめんなさい……多分、人違いです」




キンコン、と丁度よく休憩時間終了の鐘の音が鳴り、私はそそくさとその場を去った。



超絶気まずい空気が流れてたから、正直助かった…



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甘露寺蜜璃


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作者名:みっ | 作成日時:2020年6月14日 19時

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