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私を心配してくれることが柄にもなく嬉しくて綻びそうになる顔をなんとか保っていると、朝食の準備ができたのでよければ召し上がって、と誘われた。


鬼なのだから、食べなくても生きていける。しかも私の場合人の血以外全く味がしないし、美味しいとも思えない。人間の頃、好きだった物でさえ美味しいと思えない。

けれど、その気遣いが嬉しかったので二つ返事で頂いた。その後アオイちゃんやなほちゃんら三人娘の手伝いをして、カナヲと少し話をして、蝶屋敷を出た頃にはもう正午を過ぎていた。


汽車に乗り、歩き、また汽車に乗り。
乗り継いでやってきたのは東京の端の端、外れの方にある小さな町。
温泉と名物の和菓子が有名なこの町は、ずっと前に訪れたことのある町で、その時の町の雰囲気が大層気に入っていてまた行きたいと思っていたのだが、中々機会がなかったから結局行けずじまいだった。


期待に胸を躍らせながら街を散策する。








どれくらい歩いただろうか。町の外れの野原で私は足を止めた。

その野原は、遠くに見える建物、道、人。まるでそれらとこの場所を遮断するかのように、野原を中心に円状に取り囲むように美しい花々が咲き乱れている。

そこはまるで天国のようで、この世の景色とはまるで思えないほど、あまりに美しかった。


「すっげぇな…………」


思わず感嘆の声が出た。それほどまでに、この場所は美しいのだ。


野原に吹き込む風が木々を揺らし、草花を揺らす。
その風に乗るようにどこもかしかもから賑やかな声が聞こえてくる。


思わず、目を閉じた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







楽しい時間程あっという間というのは本当のようで
気がつくともう夕刻。


道中の和菓子屋でお土産用に実弥にお萩を、しのぶ達蝶屋敷の子にみたらし団子等の数種類のお団子を、そして蜜璃に桜餅を買って帰路に着いた。

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神風 - 暇神さん» ありがとうございます!面白いと言っていただけて、とても嬉しいです。 (2020年3月14日 15時) (レス) id: bc2bf01d90 (このIDを非表示/違反報告)
神風 - 猫田尋さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!体調は万全です! (2020年3月14日 15時) (レス) id: bc2bf01d90 (このIDを非表示/違反報告)
暇神 - 続編おめです!!設定など細かく出来ていて、とても面白かったです!次の更新楽しみにしています! (2020年3月13日 14時) (レス) id: 431fb3f7fc (このIDを非表示/違反報告)
猫田尋 - 続編おめでとーございます!更新頑張ってください!神風さんは体の調子大丈夫ですか?無理せず自分のペースで更新していただけたら幸いです! (2020年3月13日 13時) (レス) id: 0dcbb5e6a0 (このIDを非表示/違反報告)
神風 - ココロさん» ありがとうございます!頑張ります!ココロさんも体調に気をつけてくださいね! (2020年3月12日 22時) (レス) id: bc2bf01d90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神風 | 作成日時:2020年3月12日 14時

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