すいーとどくたぁ。

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Aside

慧「はい、じゃあ腕出して。」









…ほら、予感的中。準備を終えて戻ってきた慧くんの手には、銀色のトレーに乗った注射器とスピッツが数本。









「……痛いの、しないって言ったぁ、、」









慧「我慢出来ない程痛いことは無いよ、っては言ったけど。笑 ちょっとだけ頑張ろう？」








「やぁ…、やんない、もう帰る〜、、泣」









慧「だぁめ、これやらないとお薬出せないもん。早く終わらせて帰ろうね。」









いつまでも腕を捲らない私を見兼ねてか、トレーをデスクに置くと左腕の袖をくるくると捲り始めた。









「…ねぇやだぁ、むり…怖い、、」









腕を引こうと頑張ってみても男の人の力に敵うわけがなく、すぐに固定されて駆血帯を締められる。









慧「こーら、動かない。向こうむいてな？すぐ終わるから頑張るよ、はいち、っくん……、」









「……っ、いぃったい、痛い、！」









ふと力を緩めた隙にスッと針を刺し、採血を進める慧くん。いきなりやるなんて意地悪、、









慧「よし、もう痛いとこ終わり。……ん、あとここ抑えててね。よく頑張りましたぁ。」









「…っ、痛かったもん、慧くんのばかぁ、、」









なんて、ただの八つ当たり。本当は慧くんが心配して、全部私のためにやってくれたってわかってるけど。









痛かったのと怖かったのと、具合の悪さのせいにして甘えるための口実かもしれない。









慧「ごめんって。笑 でもこんなになるまで具合悪いの隠したの誰だっけ〜？」









「…いじわる……、」









白衣を脱いで、腕の脱脂綿を外し小さな絆創膏を貼り終えるとふわ、と頭を撫でられる。









慧「これからはちゃんと毎日顔見れるようにしないとダメかもな〜？」









…それ、って。つまり、









少し期待、しちゃってもいいのかな、？









fin.

さん。 K.I→←・

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