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慧「熱測ってきた?…まだか、じゃあちょっと横向いてね。」
コートとバッグをかごに入れて椅子に座ると、さっと耳で体温を測られる。
「……熱あったらしなくてもいい、?」
慧「あったらね、笑
……はい、ざんねーん36.5°、超平熱!」
「ま、今やらなくて済んでもどっちみちしなきゃいけないんだし。ね?」
慣れた手つきで聴診器を首に掛ける姿にどきっとする。…悔しいけどすごく、かっこいい。
慧「じゃあ服、ちょっと隙間開けてくれる?…そうそう、ゆっくり深呼吸して〜」
優しいけど真剣な顔。緊張してるのもあるけど、さっきから心臓がばくばくしてる…
慧「…ふふ、めっちゃ速いよ。笑 もっとリラックスしていーよ?」
そんなこと言ったって…。服を直しながらちら、と横顔を盗み見る。慧くんのせいだよ、なんて。
慧「ん、次あーってして 」
渋々ながらも小さく口を開けると、ペンライトを片手に舌圧子で下を押さえられる。
慧「よし、じゃあ最後頑張ろっか。こっち腕捲るね。」
薄手のセーターの袖を上まで捲られて、アルコール綿で消毒されると抑えていた恐怖心が込み上げてくる。
「…ね、やっぱ待って…、」
慧「ん?…いいけど余計怖くなるでしょ、笑
すぐ終わるからちょっとだけ頑張ろ?向こう向いてなね。」
「ん……、」
くるりと身体を横に向かせて、一回私の頭を撫でた。
慧「はい、じゃあちょっとチクってするからね。」
…あれ、一瞬痛かったけどこれくらいなら……なんて思った瞬間。
慧「ここだけちょっと我慢ね。動かないよ〜」
ぐっと薬を入れられると同時に痛みは増して、我慢していたのに涙がぽろぽろ溢れる。
「んん、いっ……たい、、泣」
慧「……はいっ、終わりー。頑張りましたぁ。」
小さな絆創膏を張り終えると、指で涙を拭いながらよしよし、と撫でてくれる。
「…、頑張ったからぎゅーってして、」
慧「はいはい、笑 ほらおいで?」
広げた両腕に飛び込むと、白衣の消毒の匂いに混ざっていつもの安心する香り。
子どもみたいに褒められて恥ずかしい気もするけど、たまには悪くないかも、なんて。
fin.
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ちほ(プロフ) - すいーとどくたぁのパスワードを教えてほしいです! (2020年8月5日 18時) (レス) id: 1cb4028765 (このIDを非表示/違反報告)
白雪姫 - ふ ゆさん» 厳しい裕翔くん最高です!これからも頑張ってください! (2018年10月26日 17時) (レス) id: 3c49ee2c98 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃(プロフ) - 伊野尾くんで、関係性は婚約者、年齢は同い年で無理しすぎて高熱で病院行きをお願いします (2018年10月26日 13時) (レス) id: 04dcec29fa (このIDを非表示/違反報告)
ふ ゆ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです^ ^ これからも応援よろしくお願い致します! (2018年10月25日 0時) (レス) id: df2aa8050c (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - JUMP大好きです7担当ですこの小説最高です (2018年10月24日 12時) (レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふ ゆ | 作成日時:2018年9月4日 20時