すいーとどくたぁ。

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Kota.side




「これ、次の患者さんのカルテです。」









宏太「ん、ありがと。……うん？」









お昼休みも済んで、午後の診察を始めてから1時間ほど。なんと回ってきたカルテにはAの名前があった。









…同姓同名？いや、でも生年月日も初診なのも全てAに当てはまる。









連絡してくれれば早く上がって家で診てあげたのに、と思いつつも診察室へ通すと、不安気に入ってきたのはやっぱりAだった。









「あ…ごめんね急に、今大丈夫だった？」









いやいや、大丈夫も何も外来で来たんだから普通の患者さんと同じでしょうよ。笑


っていうか、連絡もなく来たのにたまたま俺のとこに回って来るなんて凄くない？確率的には他の先生の方が高いはず。









宏太「いや、びっくりしたよ。笑 電話でもくれたら良かったのに。俺んとこに回ってきたの偶然だよ？」









そう言うと、「あ…そうだね、笑」なんて照れ笑いをするA。良かった、ちょっと緊張してたみたいだから。









宏太「で、今日は…あぁ、片目腫れちゃってるね。ちょっと近くで見せて？」









椅子を近くに寄せて腫れている方の目を診ると、まつ毛の根元あたりに小さくできものができていた。


…まぁ、そんなに酷くないしものもらいってところかな。









宏太「…笑、そんな心配しなくていいよ、大丈夫。ただのものもらいだね。目薬点しておけば1週間くらいで治るよ。」









目が腫れちゃうなんてあんまり経験無かったら不安になっても仕方ないか。頭をぽんぽん、と撫でてあげるとやっと安心したようだった。

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