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Aside







差し出された手を握り返すと、大学の校門とは反対方向に歩き出す慧くん。





「え、ねぇ待って、どこ行くの?」







慧「…あのねぇ、」







ぴたりと歩きを止めると、ゆっくり慧くんの顔が近づいてくる。








慧「こんな具合悪そうなの、黙って返す訳にいかないの。ちょっと顔貸して?……ほら、やっぱ真っ白。フラついたりしなかった?」








両手で顔を触って、瞼を確認すると一気にお医者さんの慧くんになる。









慧「今から診てあげるから。ちゃんと診察して検査して、それからじゃないと帰せないよ。」









いつもより少し低い声。嫌だ、帰る、なんて言えなかった。









「……うん、、」








泣きそうになるのを堪えて一言そう言うと、慧くんの手がぽん、と頭の上に乗る。









慧「そんな顔しないの。笑 大丈夫、治してあげるから。…でも具合悪いの隠すのは駄目。辛そうなA見てらんないの。わかる?」








「ん…、ごめんなさい… っ、」









身体と一緒に心まで弱っていたのか、ぽろぽろと涙が溢れてくるのを慧くんの長くて細い指で拭われる。








慧「あーもう、泣かないの。笑 目腫れちゃうよ。
体も冷えちゃうから中入ろっか。」









隣接されているとはいえ中々踏み込むことのない大学病院は広くて、白い無機質な空間に消毒液の匂いが立ち込める。









慧くんが普段使う内科の診察室へと向かう途中、突然大きな声が廊下に響いた。









『いやぁあぁ!!いたぁいぃ、やだぁ!かえる〜っ!!!泣』









小児科 処置室、と書かれた部屋の中から聞こえるのは小さな子どもの声で、よほど痛い治療を受けているのかこっちまで不安になるような泣き声。









慧「…A?どうした?」









「んーん…何でもない…、」









もともと病院がかなり苦手なのもあって、泣き声のせいか自分もこれから痛いことをされるんじゃないかと思うと足が進まない。









慧「不安になってきた?」

・→←に。K.I



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ちほ(プロフ) - すいーとどくたぁのパスワードを教えてほしいです! (2020年8月5日 18時) (レス) id: 1cb4028765 (このIDを非表示/違反報告)
白雪姫 - ふ ゆさん» 厳しい裕翔くん最高です!これからも頑張ってください! (2018年10月26日 17時) (レス) id: 3c49ee2c98 (このIDを非表示/違反報告)
菜乃(プロフ) - 伊野尾くんで、関係性は婚約者、年齢は同い年で無理しすぎて高熱で病院行きをお願いします (2018年10月26日 13時) (レス) id: 04dcec29fa (このIDを非表示/違反報告)
ふ ゆ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです^ ^ これからも応援よろしくお願い致します! (2018年10月25日 0時) (レス) id: df2aa8050c (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - JUMP大好きです7担当ですこの小説最高です (2018年10月24日 12時) (レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふ ゆ | 作成日時:2018年9月4日 20時

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