Dr.じゃんぷ×Pt.じゃんぷ そのご。

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side:Hikaru


光「……んー…、」


…おかしいな。針を入れられそうな血管が見当たらない。


試しに左腕も見せて貰ったけど、こっちも難しそう。


光「…もしかしてさっき吐いたの、一回だけじゃない？」


宏太「え？あー…二回か三回かな、なかなか吐き気治まらなくて…。」


なるほど、そりゃあ脱水症状も出てくるはずだ。


光「脱水しちゃってて血管出てこなくてさ。…こっちから入れてもいい？」


駆血帯をそのまま下に移動して、手首の辺りを触るとあからさまに嫌そうな顔をする。


宏太「…そこ痛いじゃん…。」


光「まぁね、いつものところと比べたら痛いけど…。なるべく痛くないようにするから、ね？」


渋々、といった様子で手を差し出される。


…うん、ここなら入りそうかな…。


場所を決めて消毒を済ませると、今まさに針を入れようとした手の甲がサッと隠された。


宏太「…っ待って、するから…ちょっと時間欲しい…。」


光「ん、いいよ。俺だって怖いもん、無理に押さえ付けたりしないよ。笑 」


心の準備が出来ないまま針を刺される怖さは俺が1番よく分かってる。


暫く待っていると、小さな声で名前を呼ばれた。


光「大丈夫そう？…ん、じゃあすぐ終わらせちゃうからね。見てると怖いから反対側向いて力抜いてな？」


消毒し直して、血管を探して…やっと見つけたけどちょっと角度的に痛いかもな…。


光「チクってするよ、動かないでねー…、」


宏太「……痛っ、た…っ！」


光「ごめん、痛かったよなぁ…もう終わりね、今から固定するから。」


やっぱりどう頑張っても手の甲は痛い箇所で、普段は点滴くらい平気そうな薮も目がうるうるしてる。


光「…よし、これで良いかな。終わるまで寝てな？外すときに起こすね。」


宏太「…ん、ありがと…。」


すやすやと眠りに付いた薮を見て漸く一安心。


冷静なフリをしてたけど、ちゃんと診察するまで変な病気じゃないかって冷や冷やしてたんだよね。笑


感冒性腸炎…まぁいわゆるお腹の風邪ってところで安心したけど。


点滴したら大分楽になったみたいで、顔色も良くなってた薮は調子に乗ったのか


宏太「今日の夕飯どうしよっかなぁ〜」


…なんて言ってる。


光「お粥に決まってんでしょ、そうじゃなくても消化の良いものじゃなきゃ駄目。もう、いくら治ったからって…」


全く、へらへらと笑えるくらいには元気になったようで良かったよ。心配したんだからね？笑



fin.

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