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side:Kota
緊張からかがちがちに固まっている涼介の手をそっと握って、力を抜くように促す。
光ほどじゃないけど、涼介も注射かなり苦手だからなぁ…。
宏太「動いたら危ないからね。少しの間だけ我慢できる?」
涼介「…っ、うん…、」
宏太「よし、じゃあちょっと頑張ろっか。チクってするよ〜…」
出来るだけ痛みが少ない箇所をなんとか探し出して慎重に針を刺す。
涼介「っ……痛い…泣」
宏太「痛いなぁ…あと少しだからね、もう1番痛いところ終わったから。目は瞑ってて?」
針先が目に入らないようにってのもあるけど、その先に繋いでる注射器が予防接種や採血よりもずっと大きいからきっと一瞬でも見たら怯えちゃう。
痛みは点滴とそんなに変わらないくらいだけど、ただでさえ先端恐怖症だし見ないに越したことはないからね。
涼介「…まだ、、?」
宏太「んー…これちょっと時間掛かるんだ、刺してるところ痛む?」
涼介「…ううん、もうあんまり痛くない…。」
あんまり急激に薬を入れるのは危ないし、身体の負担も大きいから2分以上掛けてゆっくり入れてあげなきゃいけない薬。
もう痛くないとはいえ針が刺さったままなのは怖いみたいで、薄っすら目を開けた涼介と目が合った。
宏太「…はーい、おしまい。涼介頑張ったなぁ、」
止血をしながらそう褒めてやると、照れ臭そうに目を逸らす。
宏太「今日頑張ったからー…あと今週は3日後、スケジュールに問題無ければ来週と再来週も同じ曜日でいいかな。」
涼介「…え…?」
…あ。ちゃんと説明してなかったっけ…?
涼介「今日で終わり…、」
宏太「違う違う、笑 そうだなぁ、週に2回ずつを2ヵ月くらいは必要かな。」
涼介「そんなの聞いてない…!」
宏太「ごめんごめん、でもちゃんと通って貰わないと治せないから…一緒に頑張ろうな。」
涼介「やだ…絶対来ない…泣」
…なんて言ってた涼介だけど、もちろんそんな我儘が通るはずはなくて。笑
ある日は伊野尾に、またある日は裕翔に…最後の方は知念まで涼介の手を引っ張って来てびっくりしちゃった。
次々入れ替わりのメンバーに連れてこられて嫌々ながらも治療を頑張ってくれた。
経過も見なきゃいけないから途中治療に加えて何回か採血もしたし、その度に目をうるうるさせて「やだ…」って言う涼介を見るのは俺だって辛かったけど。
幸い薬も効いてきたみたいで、日を追うごとに元気になっていく涼介にメンバーも一安心。
よく頑張ったね。
fin.
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ふ ゆ。(プロフ) - くるさぼさん» Dr.伊野尾くん了解です〜!沢山のリクエスト頂いておりまして確実なお約束は出来ないのですが、参考にさせて頂きます^ ^ (2020年6月10日 22時) (レス) id: 32b3248ec1 (このIDを非表示/違反報告)
くるさぼ(プロフ) - 医者は伊野尾くんでお願いします (2020年6月9日 19時) (レス) id: a9f01a33e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ゆ。(プロフ) - くるさぼさん» リクエストありがとうございます〜!Pt.光くん、サポート薮くんで大丈夫でしたかね?お医者さんでご希望のメンバー居ましたら教えてください^ ^ (2020年6月8日 22時) (レス) id: 32b3248ec1 (このIDを非表示/違反報告)
くるさぼ(プロフ) - パニックおこした光くんが医者の薮くんに支えてもらいながら採血をするのがみたいです。 これからも自分のペースで頑張って下さい。応援してます (2020年6月8日 22時) (レス) id: a9f01a33e9 (このIDを非表示/違反報告)
くるさぼ(プロフ) - Twitterしてないので、こちらでリクエストさせて頂きます。光くんが貧血の症状が酷くて、倒れてしまいます。それで、検査をする為に採血を行おうとするが、過去に無理矢理やられた事がトラウマがあり、その事思い出してパニックを起こしてしまいます。 (2020年6月8日 22時) (レス) id: a9f01a33e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふ ゆ 。 | 作成日時:2020年5月24日 21時