Dr.じゃんぷ×Pt.じゃんぷ そのさん。

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side:Ryosuke


慧「そこ座って待ってて？準備して来るね。」


歯医者のようなユニットに、周りには複雑そうな機械や医療器具。治して欲しくて自分から頼んだのに、座るだけでも緊張で心臓がおかしくなりそうだ。


何されるんだろう…。既にこんなに痛いのに、治療が痛くないはずがない。本当なら今すぐにでも逃げ出してしまいたい。


慧「お待たせ。ちょっと寒いね、暖房付けよっか。…そんな怖い顔しないの、笑 まだお話するだけだから。」


無意識に表情も固くなっていたみたいで、戻って来た伊野ちゃんにくすくすと笑われてしまった。


慧「はい、体温測りながらお話聞いててね。…その感じじゃ左かな、痛くなったのっていつから？」


涼介「昨日から変な感じがして…痛くて我慢できなくなったのは今朝、かな…。」


慧「そっか、薬とか飲んでた？いつどの位飲んだか教えて欲しいんだけど。」


涼介「え、っと…。昨日のお昼に鎮痛剤2錠、夜も…。」


慧「昨日のお昼と夜に2錠ずつね。今朝は飲んでないの？」


涼介「うん、丁度切れちゃって、、」


そう返事をすると同時に体温計が鳴って、自分で見るのは何だか怖いからそのまま伊野ちゃんに手渡した。


慧「…ん、熱はないね。じゃあまず痛い方の耳だけ診せてもらおっかな、反対側向ける？…そうそう、まだ見るだけだからね。」


少しユニットが倒されて、横を向くとパチンと手袋を嵌める音がして冷たい金属が耳に触れる。


ゾワっと寒気がしたけどまだ痛くない。すぐに「はい、いいよ。」と声がして、椅子が元に戻された。


慧「やっぱ中耳炎だねぇ…これ相当痛かったでしょ。結構我慢してた？」


涼介「ん…仕事、あったから…。」


慧「まぁ仕方ないか、なかなか休めないしね。今日がオフで良かったよ、すぐ治しちゃおっか。」


涼介「……ね、あのさ…、」


慧「うん？」


涼介「やっぱりその、痛い…よね、？」


もちろん早く治したい。…けど、治療の不安の方が大きくて…思い切ってずっと気になっていた事を聞いてみた。


慧「うーん、一応麻酔はするけど…今回の山田の場合だと結構進んじゃっててさ。膿が溜まっちゃってるから、それを外に出さないといけないんだよね。」


涼介「…出す？って、どうやって…？」


伊野ちゃんは少し困ったような顔をしてる。…嫌な予感しかしない…。


慧「ん…ちょっと切開して中の膿を吸引するんだけど。…聞いたら余計に怖くなっちゃうでしょ？笑 」

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