Dr.じゃんぷ×Pt.じゃんぷ そのさん。

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side:Ryosuke


朝起きた時に感じた左耳の違和感。音が篭っているような感覚がしたけど、その日は朝から仕事があってそれどころじゃなかった。


気のせいだと思い込むようにしてたけどその違和感は一日中消える事はなくて、撮影の合間に市販の鎮痛剤を飲んで何とか凌いだ。


大丈夫、疲れてるだけ。帰ってちゃんと休めば明日には治るはず。自分に言い聞かせて、残りの鎮痛剤を飲むとすぐに眠ることにした。


…なのに。次の日の朝、目覚めは最悪だった。


涼介「いっ……！」


寝返りを打った瞬間にズキンと嫌な痛み。もう違和感なんてもんじゃない、明らかにおかしい。


せっかくオフなんだから午前中はゆっくり過ごそうと思ったのに、痛すぎてこれ以上寝ていられない。


仕方なく身体を起こして何となくテレビを付けると、画面には朝から爽やかにニコニコしている見慣れた顔。


涼介「…あ、いのちゃん…。」


…そっか、今日木曜日だもんね。テレビ越しに聴き馴染みのあるのんびりとした声を聴いていると、心細くて不安で不安で堪らない今不覚にも泣きそうになった。


反省会なんかで忙しいかもしれない、もしかしたらこの後まだ仕事があるかもしれない。分かってはいたけど、放送が終わって直ぐに電話を掛けてしまった。


数回のコール音の後、無機質に流れる留守番電話を促すアナウンス。やっぱり出られないか…。


諦めてスマホを机に置いて数分、電話の着信音が部屋に響く。


不在着信を見て掛け直してくれたらしく、事情を説明するとすぐに受け入れて家まで迎えに来てくれるとの事だった。


わざわざ悪いな、伊野ちゃんも朝から忙しいんだから休みたかっただろうに。邪魔しちゃったなぁ…。


安心と罪悪感がぐるぐると駆け巡っていると、「家の前着いたよ〜」とだけ書かれたメッセージが表示されて急いでマンションのエントランスへと向かった。

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