上京したら犬系&猫系男子に拾われました 2

♯81　強くなる“気持ち” ページ21

莉犬side




やってしまった……。




帰り際のやっと終わった……みたいな店員さんの顔を見て我に返った。



Aの前ではいいところを見せたいと思うあまりお店の中でさとみと言い争いをしてしまった。



人混みを避けるため、比較的お客さんが少なめのお店にはいったとはいえ店員さんにもAにも迷惑をかけた。




声はもちろん抑えてたよ？



でもそういう問題じゃないよね……。



さっきからAは一言もしゃべんないし……。





前を歩くAを見てさとちゃんとどうしよう、と目を合わせる。



と、突然Aがくるっと振り返った。




『あの……さとみさん、莉犬さん。』




さっき買った服を抱きしめて俯いた。



……しかし




『……ありがとうございます！』




さとりーぬ「え？」




Aの言葉に顔を見合わせた。




『私のためにあんなに考えてくれて嬉しかったです！』




店員さんには申し訳ないですけど、と苦笑しつつ嬉しそうなA。




『今日はほんとにありがとうございました！』




Aは軽く頭を下げるとにっこり笑った。




かわいい。



やっぱり……好きだな。




前よりも気持ちが強くなっている気がした。

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