♯33 居心地の悪い日常会話 ページ33
莉犬side
『この人は私の兄の玖珂 魁斗です!』
え?
あれ、いまAなんて言った?
兄?
この人、Aのお兄さんなの!?
驚きで言葉が出てこなかった。
Aの隣にはあまり顔の似ていないイケメン。
Aの顔も整っているけど、お兄さんも凄くイケメンだった。
でも……彼氏じゃなくて良かった……!
そう思ってAの顔をじっと見つめる。
と、殺気を感じた。
その殺気を放っていたのはお兄さんだった。
魁斗「莉犬さん……でしたっけ?妹になんか用ですか?」
魁斗さんはにっこり笑っていった。
なのに凄く怖かった。
メンバーのるぅちゃんは腹黒な部分があって怖いと思うこともあるけど、まだ可愛さがあるからいじられる。
でも魁斗さんはキリッとした目をしていて、眼力だけで制圧されそうだ。
莉犬「な……何でも無いです。」
情けない事に押し負けられ小さくなる。
さとみ「あ、“お義兄さん”は東京に住んでるんですか?」
魁斗「あーまあ俺は結構東京ココと青森ジモト行ったり来たりですね。」
さすがさとみ!
お義兄さん、を強調して言うなんて俺にはできない。
でもこんなに居心地の悪い日常会話初めて聞いたよ!
お互い睨み合うように言葉を交わしていた。
笑っているのは口元だけ。
それに気づかない鈍感なAはニコニコして話を聞いていた。
ほんとに仲良く話していると思っているのだろう。
俺はさとみと魁斗さんが話すのを小さくなりながら聞いていた。
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作者名:。。。くるみ。。。 | 作成日時:2021年6月21日 17時