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♯3 ピンチ ページ3

Aside


『え…どうして?』


目の前のアパートを見て呆然とする。

今私の前にあるアパートは私がこれから生活していく“予定”だったアパート。

そんなアパートが地震の後のように崩れていた。

黄色いテープが貼られ、その周りには住民であろう人たちが困った様子で見ていた。


「あっ、あなた玖珂 Aさん?」


中年の女性が声をかけてくれた。


「今日からここに住むって予定の。なら気の毒に。ここのアパートね前から結構ヒビとかあったんだけどついに今朝崩れちゃってね。しかもかなり大規模に。だから今から泊まれる場所を探したほうがいいわよ。」


『え…あっ、はいありがとうございます!』


凄く驚いたけど親切に教えてくださったのでお礼を言った。


泊まる場所か…何処に行けばいいんだろう。


ここに来るまでGoo○le M○pを使って、徒歩15分の道を2時間かかったのに、目的地がない状態でどこかに向かうなんて無理な気がした。


うん。とりあえず歩いて見よう!


とあるき出した。

だけど


あれ?ここどこ?同じような景色が続いてて分かんない…。


案の定迷子になってしまった。


『どうしよう。お母さんに連絡してみよう。』


情けないけどお母さんに電話しようとスマホを開くと大きく1%の文字。

絶望で言葉が出なかった。

それに追い打ちをかけるように雨が降り出す。


人気の無いビルの隙間に逃げるように入って行った。

スーツケースを横にしゃがみ込んだ。

恥ずかしかった。

憧れだけで来るんじゃ無かったと後悔すら感じる。


『これからどうしよう。』


そう呟いて顔を腕に埋める。

涙が出てくる。


?「え?君、大丈夫?」


誰かの声に顔を上げた。

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作者名:。。。くるみ。。。 | 作成日時:2021年6月21日 17時

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