夏初月 -ナツハヅキ- 【 名前変換オリジナル 】

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「座っていい？」

彼女が首を縦に振ったのを確認して
隣に座る。



今日は何回も
このくらいの距離で接したけれど


今が1番
なんというか、やばい。



息遣いも
体温も

全部、伝わる。




だから少し

「…緊張、してる？」



力が入っているような
そんな雰囲気も、分かってしまう。


俺の問いかけの後
微かだけど体温が上がったのは
俺の方か、それとも彼女の方か。





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『風見くんのせい。』


いつだってそう。


控えめな声とは反対に
俺の心を惑わす言葉で乱していく。





「でも、いつも余裕そうじゃん」


こっちばっかり弄ばれて
いつだって勝てなくて

さすがに俺だって悔しい。

そういう日頃の不満を
皮肉を交えて、軽く言っただけだった。






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それなのに


『余裕なんか、ない』



少しムキになって言い返す彼女を
見られたのは予想外。




『風見くんなんて、すごくずるい。



　あんな風に、見られたら』





そこまで言って
ハッとする彼女。



我に返ったのかその先を躊躇う。






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「あんな風って、」


今の状態は俺が優勢か？

そんなことを考えながら
少し追い打ちをかける。


なんだか新鮮だった。


彼女の方が
明らかに俺よりも緊張しているのは。






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