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今にも出そうなため息を堪える。
体育館横の自販機へ
水を買いに来ただけなのに
「ほんと、短い時間だけでいいから、さ」
男女2人がどうやら大事な話をしている現場に出くわした。
別に気遣う義理なんてないけれど。
あんなところに突っ込んで
気まずい空気を浴びなきゃいけないのも嫌だ。
自分の身を相手の死角に隠して
もう間もなく5分が過ぎるところだった。
「浴衣も、見たいし」
話している声から
男の方の緊張が伝わる。
顔までは見えないけれど。
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お前もか、
と誰かも分かってないそいつに対して思う。
1週間後のテスト最終日、
ここらへんで1番大きな夏祭りがある。
毎年そのイベントに合わせて
カップルが増えるという情報は
部活の先輩からもよく聞いていた。
周りではどこが付き合いそうだ
誰と約束しただなんだのゴシップが
すっかりトレンドだった。
そっか
皆こういう風に誘うのか。
盗み聞きから勉強しているこんな場面
誰かに見られたらタチ悪いよなぁとも思いつつ
離れるとしても
足音とか相手の視界とかを
もはや気にするのが面倒だった。
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『…ごめん。』
あ、
と思った。
振った。
なんで。
理由は。
『もう約束してる人、いるから。』
そう言って足早に去る女の子。
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「聞かなきゃよかった」
俺が近くにいるのも知らず
1人になった男は
そんな独り言を言って
とぼとぼと、その場所を後にした。
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ほんと、聞かなきゃよかった。
顔から垂れる汗を手で拭う。
相手、って誰だろう。
もう付き合ってんのかな。
どっちにしろ
いい感じの人ってことには変わりないよな。
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もう一刻も早く教室に戻るべきだったんだ。
ほら、購買の隣にも自販機はあるわけだし
別棟だから少し遠いけど、そっち行きゃよかった。
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そうしたら
永野さんが誰かと祭りに行くこと
なんて
知らなくて済んだのに。
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kaho(プロフ) - ナマケモノさん» 一気読みだなんて…！！とてつもなく嬉しいです、( *´ｰ`* )分かります、私も声出しながら書いてます(変態) 素敵なコメントをありがとうございました(*´ `*)ﾉ (2021年7月7日 13時) (
レス) id: cde1bfd013 (このIDを非表示/違反報告)
ナマケモノ(プロフ) - 少しずつ作品を一気読みさせてもらってます。最高すぎやしませんか？キュンが体内に収まりきらず変な声を出してしまうんですが……ありがとうございます！！！ちょうど求めていたストーリーで幸せな気分になれました。応援してます！ (2021年7月7日 9時) (レス) id: 519c5db7d2 (このIDを非表示/違反報告)
kaho(プロフ) - 透花@我々だファンさん» お気に召していただけて、とても嬉しいです。最後まで読んでくださってありがとうございました(*´∪`) (2021年5月17日 20時) (レス) id: cde1bfd013 (このIDを非表示/違反報告)
透花@我々だファン(プロフ) - めっちゃ好みのオリジナル作品です…！完結おめでとう御座います！ (2021年5月17日 16時) (レス) id: 5166517003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kaho | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/kAhO5/
作成日時：2021年4月18日 2時
