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先輩。ページ1

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先輩は狡い。

私の気持ちに気づいてるくせに

「ほんまAはかわええな」

なんて愛おしそうな目で見てくるから

どうしても勘違いしてしまう

先輩の好きな人は私じゃないのに。

でも私もそうやって先輩の優しさにつけ込んで

気付けば今日も彼のところに向かってしまうんだ

. . .

いつものように屋上に行けば、フェンスに寄りかかりながら空を見上げている先輩の姿。

『末澤先輩、！』

末「A、今日もきたんや笑」

『はい、』

末「……あ、」

ふと何かを思いついたように不敵に笑ったかと思うと

先輩は私の手を引っ張って、こっちきーやって、

『きゃっ、末澤せんぱっ…』

気づけば大好きな人の腕の中

ふわりといちごみたいな甘い香りが広がる

末「んはっ笑、顔真っ赤やん笑笑」

上から先輩が私の顔を覗き込んでくる

狡い、ほんまに狡い

この人は私をドキドキさせるのが得意だ

思わず胸が高鳴る

『…先輩のせいじゃないですか』

思いっきり睨んでみるけど、かわええなって笑われた、

可愛いのは先輩の方ですよ。

『……ｯ離してください』

末「んー…何で？」

　「俺のこと嫌い？」

分かってるくせに。

むしろ好きだっつーの

『嫌いやないですｯ』

『でもこういう事は好きな子にやるんですよ、』

そう言って腕をどかそうとするけど

更にぎゅっと抱きしめる力が強くなっただけ

末「俺、Aの事好きやで、？」

耳元に響く甘い声。

『ｯ、』

嘘つき

他の子にもそうやって、簡単に好きって言ってるくせに。

『…そーですか。』

末「っあ、！絶対嘘やと思ってるやろ！！」

『当たり前やないですか』

もー何でなんって狙ったように、ぷくっと頬を膨らませて。なんちゅうあざとさ

ほんま狡いわぁ、

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末「………俺は本気やのに、」