もう少しそばにいて season２

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A side.





聞けなくて、その場に立っていられなくてカエの元へ戻った。


…………いや、本当は逃げたの。




私には翔太くんの気持ちに答えることできないから。







｢…カエ｣


カエ｢…やっぱ泣いてた｣







私の涙を見て優しく笑ったカエ。






カエ｢……あんたは悪くないよ。そして、あの人も2号も誰も悪くないからね｣







私の涙を親指ですくったカエは私の頭を撫でた。

まるで全て分かっていたかのような優しい顔をして…。






｢……私、翔太くんのこと傷つけてばっかで…ずっと苦しめてた…｣


カエ｢うん｣


｢…翔太くんはずっと私のそばで気持ちを殺 して来てたのに、私ばっかり辛いって言って｣


カエ｢うん｣


｢翔太くんの気持ち……何も考えてなかった…｣


カエ｢……うん。…でも例え気づいたとしてさ、みんなが幸せになれたと思う？

…Aがあの人の気持ちを聞いて、2号の事で悩んで、後輩くんのことで頭いっぱいになって……あんたは幸せじゃないでしょ？

そんな中でさ、ハッキリとした返事を貰えないみんなも幸せじゃない。

……あの人は…あんたが自分のせいで悩んで、苦しむ姿を見たくなかったんだよ。好きだから｣








翔太くんはきっと、本当にたつやくんとの幸せを願ってくれてる片隅でどこか、

私が言う言葉に傷ついてたんだ。







だけど、そこで言ってしまったら私が悩んで、誰にも相談できずにまた苦しんじゃうって思ったの？



それでも私は翔太くんに辛い思いをさせてたことの方が苦しいよ……









カエ｢落ち着いたら…あの人とお話してみな。大丈夫だから｣


｢……ありがとう｣







帰ったらたつやくんにどんな顔して会えばいいんだろう。

せっかく翔太くんが背中押してくれた今の状況を｢めんどくさい｣とか｢うるさい｣とか思ってたら翔太くんにすごく失礼だ。








" 明日の夜たつやくんのお家に行くね "


" ごめんね "








すぐについた既読に泣きそうになった。


私ってたつやくんのこと好きでいていいのかな…

いや、こんなこと思うのも翔太くんに失礼なんだよね。







………うん、悩むよ。


でも、あなたを傷つけてしまうよりはずっといい。


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