もう少しそばにいて season２

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結局もうすぐ帰る時間なのになかなか会えずに
目で翔太くんを探すけど無駄な体力使ったな…



また翔太くんからの返事を確認するために携帯の電源をつけるけど、並ぶ名前は｢深澤辰哉｣だけ。






カエ｢A！！A！！！｣


｢え、なにどうしたの、そんな慌てて…｣


カエ｢翔太くんがいる！！いるから！！！ちょ、早く！！行ってきなってほら早く！！｣




わけも分からず背中を押され、着いてきたのは公衆トイレの裏だった。







＿＿＿＿＿＿ ああ




…翔太くんの声が聞こえる？

誰かと電話してるのかな？





少し覗いてみると、トイレ裏にある喫煙所でタバコ吸いながら電話をする翔太くんがいた。






……元気になったみたいで良かった。




｢しょ…｣


渡｢…お前いつから俺がAの事好きって気づいてたの？｣




その言葉に心臓が飛び跳ね、動きが止まってしまった。





………A…って、私の事……？






渡｢…俺さ、お前と友達辞めるかアイツと縁を切るしかもう苦しいのね、正直。

………ごめん、おれ、どうしたらいいか分かんなくて…Aのこと泣かせたわ…ごめん…｣






……どうしよう。


翔太くんの辛そうに囁く言葉が胸に刺さる。

ずっと、支えてくれてた裏では、本当はずっと


ずっとずっと




渡｢…なんで俺じゃダメなんだよ…｣




私のことを大切に思っていてくれてたなんて……










目薬を指した時みたいに目が痛む。

拭っても拭っても次々と溢れてくる涙の理由、それは
貴方を長い間傷つけてしまっていたから。




" 今日のことはあんま気にすんな "


あの言葉も




" ふっかのとこ行ってやって "


" 会いに行ってやるだけでふっかは幸せなんだよ "


" もういいだろ、お前ばっか背負うことないんだから "


" お前が決めていい事じゃない！戻ってきて良いかどうかはふっかが決めることなんだよ！！"



そうやって私たちのために頭を下げてくれた時も

何を思っていたんだろう。






たつやくんのために朱里さんを説得したくて翔太くんに電話したあの時、

どんな思いで私の話を聞いてくれていたんだろう。



目黒くんと付き合うことになった時、

翔太くんはどんな気持ちで目黒くんや私と接してくれていたんだろう。





どんな………思いで……





｢………翔太くん…｣





翔太くんは…ずっと私が傷つかないように守ってくれてたの…？


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