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病室へ向かうと話し声が聞こえる。
…………目、覚ました？
なんか…私がいる時に目覚ましてくれたら嬉しかったな、とか……思ったり…思わなかったり……
『…どうしました？』
｢え、あ、いや…｣
『目覚ましましたよ？入られないんですか？』
｢…いや…えっと｣
私が下を向いたりモジモジしてたらニコッと笑った看護師さんが
『渡辺さんから昨日の人来たら無理やりにでも入れるようにと頼まれたので、さ、どうぞ』
そう言って背中を押された。
部屋に無理やりって形で入り込む。
深｢A！｣
その声に顔にドキンと心臓が音を立てて。
ダメだ、苦しい。泣きそう。
｢あ…えっと、｣
下を向くと
深｢…ごめん、帰ってくれる？｣
なんて声が聞こえてきて今度は心臓が変な音を立てた。
………そうだよね、たつやくんが私に帰れって言う理由なんか嫌いになっ……
深｢Aと2人になりたいから帰ってくれる？｣
ばっ、と顔を上げる。
たつやくんの先にはいつか私を叩いたあの女の人。
『………あの、すみませんでした』
｢えっ！？｣
『叩いてしまって、すみませんでした』
｢いや、え、あの…｣
頭を深く下げるその女の人は多分たつやくんに言われて渋々なんだろうな。
顔が嫌そう。
｢頭…あげてください｣
『…すみませんでした』
｢いやもう大丈夫なので…｣
少し涙目になってるし、
もう謝ってくれたんだからそれでいい。
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作者名：たぁゆぅ
| 作成日時：2020年5月23日 15時
